昆虫類 その2

アサギマダラ

アサギマダラ

遠く海を飛んでくるスゴイ蝶

低山帯では5月頃から11月中旬まで見られるチョウです。夏は高山帯にも飛来します。前翅長は5から6cm、翅の内側は半透明の水色で、黒い翅脈があります。「あさぎ(浅葱)」は青緑色の古称で、翅の地色に由来。幼虫・蛹・成虫とも鮮やかな体色をしています。蛹は「垂蛹」と言って、尾部だけで逆さ吊りになります。 
食草はガガイモ科の植物で、どれも毒性の強いアルカロイドを含んでいます。アサギマダラはこれを取り込むことで自らを毒化し、鳥などの敵から身を守ります。細かく羽ばたかずにフワフワと飛翔、秋には北東からの季節風に乗って日本本土から琉球列島や台湾へ渡り、初夏には逆のコースで北上することが確認されています。

観察会をやっている場所

グランデコ(磐梯朝日国立公園)、香美市、秋葉山、珠洲市ほか多数


ギフチョウ

ギフチョウ

春の里山を飛んでいる

里山の春を告げるチョウです。前翅長が3から3.5cm。黄白色と黒の縦じま模様で、後翅の外側には青や橙、赤色の斑紋が並びます。後翅には尾状突起があります。日本固有種で、本州の秋田県南部から山口県にいたる26都府県に分布。分布域によって色柄などの変異があります。オスは交尾の際、メスの腹部の先に特殊な粘液を分泌して塗りつけます。粘液は固まって交尾嚢となり、メスは二度と交尾できなくなります。
ヒメギフチョウは日本では中部・関東地方の数県と東北・北海道に分布します。2種類は長野県を通り、北東に伸びる「ルードルフィアライン」で棲み分けています。ギフチョウは線の西側、ヒメギフチョウは東側です。線上の数ヶ所では、両種の混生が見られます。

よく見かける場所

静岡県の高草山、洗石岳、長野県の鍋倉、野沢など


オオムラサキ

オオムラサキ

鳥のように滑空する蝶

北海道から九州まで日本各地に分布。特に山梨県は広域に多産する地域として知られています。クヌギ、コナラ、クリなどが多い雑木林(薪炭林)に生息します。タテハチョウ科最大の種類で、前翅長は5から5.5センチ、オスの翅は光沢のある青紫色、メスはこげ茶色ですがオスより大きく、存在感があります。成虫は6から7月に発生。樹液が出る幹では、翅をパタパタさせ、スズメバチやカナブンを蹴散らすように「闊歩」しています。力強くはばたき、近くでは羽音が聞こえるほどです。また、雄大に滑空する姿は、「国蝶」に相応しい存在です。食樹はエノキ。冬は地面に降りて、落ち葉の中で越冬。春になると、再びエノキの葉を食べ、晩春には蛹になります。

観察できる場所

オオムラサキセンター(北杜市)ほか