高山植物は氷河期の植物

このあいだ栂池(つがいけ)に行ったんだけど、お花がすごくきれいだった。

高山植物だね。

小さくてかわいらしいお花がいっぱい。

日本の高い山にはお花畑があるよね。

採っちゃいけないんでしょ。

とても貴重な植物なんだ。高い山の、それも限られた場所でしか咲いていない。

どうして? 低いところには咲いていないの?

植物にはあまり適さない環境で育つんだ。寒いだけじゃなくて、栄養がなかったり、水分がなかったり。だからほかの植物に邪魔されないで生き延びてきたんだ。

ああ、だから岩だらけの崖とか、砂利みたいなとこにいるのね。

養分が少なく、紫外線が強い。風も強いし、冬はずっと雪の下に埋もれたままだ。それに山の地質もさまざま。だから高山植物はそれぞれ個性的なんだ。寒さから守るために体を毛で包んでいたり、樹木なのに草のように地面を這ったりしている。よく観察するとおもしろいよ。

ふーん、こんどよく見てみる。

栂池自然園の高山植物

地球がもっともっと寒かったとき、いまある高山植物の多くは北の方で咲いていたんだ。そのときは標高が低いとこでも暮らしていたらしい。でも暖かくなって徐々に高い山や北の地域に追いやられていったんだ。だから住める場所が離れ小島のようにポツンポツンとなって孤立し、やがて日本にしかいない固有種が増えていったんだ。

固有種?

地球上でそこにしかいない生物。だから高山植物は貴重だし、宝物なんだ。でも大量に採って販売する人がいたり、シカやサルに食べられてしまう被害が増えているんだ。また温度が上がるなどして植生環境も変化している。「絶滅危惧種」といって絶滅寸前の生物が環境省に指定されていて、そこには2000種以上の植物の名が上がっているんだ。