阿蘇山が日本列島を滅ぼした日

阿蘇山に行ったけど、広くてびっくりした。

阿蘇山のカルデラは日本でも2番目に大きいんだ。

カルデラ?

大きい火口、噴火した跡の大きなくぼ地のこと。阿蘇のまわりをぐるりと囲っている山があるけど、あそこまでカルデラの跡。東西約17km、南北約25kmある。囲っている山は外輪山って言うんだ。

町があるし電車も走っているよね。

地中から大量のマグマが噴出して空洞になり、地上にあったものが落ちたんだ。

マグマ? 聞いたことある。

岩が溶けているもののこと。大噴火のときはこれが火砕流(かさいりゅう)となってすごいスピードで火口から大量に吹き出すんだ。海上を走ることもある。

海の上を?

阿蘇山は30万年前から9万年前の間に大噴火が4回あったんだ。とくに4回目が一番大きな噴火で、火砕流は1日で九州の鹿児島県をのぞく全域を襲い、火山灰は日本列島だけでなく韓国でも降って、北海道東部でも10cm以上積もっている(※国土地理院資料)。旧石器人が住んでいたら壊滅的な状況になったと考えられている。

そんなすごい噴火が起こったの。

縄文時代に阿蘇山の噴火より規模的に5分の1くらいの「鬼界カルデラ噴火」(約7300年前、薩摩硫黄島)というのが起きたんだ。そのとき九州や四国が1000年近く無人の地になったと言うから、とにかくすごい。もしいまの日本で同じような噴火が起きたら、たいへんな被害になってしまう。

もうすぐ起きるの?

今後100年で1%の確率で起きる可能性があると発表されている(巽好幸神戸大学教授ら)。しかしまだ日本では研究は進んでないんだ。キミも大きくなったら、ぜひ研究してほしい。

阿蘇山のカルデラ