2023年9月 定例山行「 秩父 武川岳 」

GPS軌跡記録


日 程 2023年9月30日(土)
目的地 秩父 武川岳
コース 西武秩父線横瀬駅8:50 →(タクシー10分)→ 9:00生川登山口駐車場9:07 → 9:33沢の渡渉9:40 → 10:08妻坂峠10:20 → 11:06武川岳(栗拾い・昼食)11:50 → 12:13前武川岳 12:15 → 12:58天狗岩13:23 → 13:35天狗岩下 → 14:20林道出合 → 14:32車道(登山口) → 15:07名郷バス停15:21 →(バス60分)→ 16:20西武秩父線飯能駅
     <歩程 4:30  休憩 1:30  合計 6:00    走行距離 8.8km>
参加者 江村、染谷、大西、渡辺 (計4名)
担 当 渡辺
記 録 文・GPSデータ・写真 / 渡辺

  西武秩父線の飯能から正丸まで外は雨模様だった。先行の特急電車に乗った江村さんからは「ざあざあ降りです。横瀬の降雨確率90%!」との絶望的なメールが届いていたが、正丸トンネルを抜けて秩父地区に入ると青空が覗き道路も乾いていて、天候の違いが顕著だった。その後、横瀬の降雨確率も40%にまで下がっていたようだ。しかし横瀬駅から間近にそびえているはずの武甲山は、ガスがかかって見えず残念。

 横瀬駅からは予約しておいたタクシーに乗り込み、セメント工場が連なるほこりっぽい道を走り抜け、10分ほどで生川へ。料金は2千円余りで、4人だったので効率が良かった。生川の一の鳥居駐車場に到着するとすでに自家用車で一杯。ほとんど全ての登山客は武甲山へ向かう。実は翌日にJACユースクラブ主催のファーストエイド講習会があって参加して来たのだが、その時に前の席にいたユース3人と話をしていたら、ちょうど同じ時間にここに着いて武甲山に登ってきたと言う。偶然にビックリ。

トイレの前にあるポストに登山届けを入れて、我々は林道を先に進み、妻坂峠への道に入る。しばらくは沢沿いの暗い道だ。途中林道を再び横切るが、ガードレールは崩れ落ち道の真ん中に深い溝ができていて、とても車が入れる状態ではなかった。沢を渡渉するところで一休み。ここからは尾根に向かって幅広いきれいな道を行く。急坂を登り切ればそこが妻坂峠である。峠にはお地蔵様が設置されていたがいつの時代のものだろうか、かなり年代が古そうであった。

妻坂峠の古びたお地蔵さん

赤くなる前のマムシ草の実

妻坂峠から武川岳に向かう急坂

 標高839mの妻坂峠の由来を調べてみると、「妻坂峠は秩父から江戸、鎌倉へと通じる主要道路であった鎌倉時代に秩父の荘官、畠山重忠が鎌倉に遠征するとき、妻を峠まで見送らせ名残を惜しんだ」ことから名付けられたとのこと。
秩父から関東平野に抜ける峠はたくさんあるが、この妻坂峠が最も西寄りに位置していて、そのためここが鎌倉への最短距離で行ける峠だったのであろう。 峠は風が吹き抜けて肌寒いくらいであった。一休みして東へ方向を変え、武川岳に向けて出発することにする。
 なお、鎌倉への道は峠を真っ直ぐ南に越して、山中という入間川の源流地点から名栗に抜けるルートである。尾根道は直ぐに急坂となる。ここが一番の難所であった。
それを越えると尾根道の傾斜が緩くなり、山栗があちこちに落ちていた。それを拾いながら進むとそこがもう武川岳の山頂であった。山頂に栗の木があって栗拾いができるのは珍しい。

武川岳間近、なだらかな坂になりホッと一息

武川岳山頂にて

 上珍しく早い時間に着いたが、ベンチもあり早速昼食にする。まずはよく冷えたビールで喉を潤し、渡辺農園の小玉スイカを提供。ちょっと季節外れなのだがまだまだ暑い日だったので、汗をかいたあとにはちょうど良かった。染谷さんのワインも出て来て、のんびりと山頂ランチを楽しんだ。
武川岳山頂から名栗に下るには、登ってきた方角から90度右に折れる尾根に入り、前武川岳を通過しなければならない。前武川岳から左方向に行くと、山伏峠を経由して名栗に下ることができる。ところが、直線方向からでも山伏峠に下れる。

 実は2週間前に私が1人で下見に行ったとき、地図を確認せずに標識の地名だけで判断して山伏峠方面、すなわち南ではなく東方向の尾根に入ってしまい、気がついたときには標高差150mも下っていたため、山頂まで上り返しをするのに1時間半もかかってしまった。
戻った山頂で気付いたのは、前武川岳方向への道標が腐って地面に落ちており、目に入らなかったのも原因の一つであった。この様に、重要な分岐点、特に山頂付近ではしっかりと地図で確認することが重要だと改めて感じた次第である。

今回、皆が正しい道を選べるかを見てみたいと思い、わざと何も注意しなかったら、さすが大西さんは標識が見えなくとも直ぐに正しい道を見つけた。キーポイントでの意識の高さが必要なのである。遭難事故の4割が道迷いとのデータがあるので、正しい地形の判断と地図読みはいつも意識しておかねばならないと思う。
  無事に正しい道に進み、1003mの前武川岳を通過して、急だったりなだらかだったりを繰り返しつつ尾根を下る。植林の木が根こそぎ倒れ、その根がオブジェのようで面白かった。標高差200m程下ったところに天狗岩という難所が立ちはだかる。石灰岩の岩場である。男坂はその岩場を通過するようだが、下りはルートがよく見えず女坂と呼ばれる迂回ルートを取るのだが、急なガレ場を下るのでかなり緊張する。ダラダラと単調で長い下りを歩くだけよりこの様な緊張する場面もあると変化があって面白い。

倒れた木の根のオブジェ1

倒れた木の根のオブジェ2

登山口の林道出合に出て、別荘らしい民家もあるアスファルト道を30分ほど歩けば名郷のバス停に到着する。道の脇には、時期遅れの彼岸花が咲いていてきれいだった。名郷のバス停では山頂で残した缶ビールを皆で分け合って飲みながらバスを待った。待ち時間は15分ほど、始発なので悠々と席を確保、途中の「さわらびの湯」で登山客がたくさん乗ってきたが、飯能まで1時間居眠りしながらのバス旅。飯能ではいつもの中華料理店で反省会。遠景は余り見えなかったものの、雨にも降られず、暑過ぎも寒過ぎもなく、快適な山旅でした。

整然と並ぶ植林(この辺りの杉・檜を西川材と呼ぶ)

天狗岩の迂回路

天狗岩下にて


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