9月山行「餓鬼岳」

日程 平成25年9月20日(金)〜23日(月)
場所 燕岳〜餓鬼岳
コース (9/20)新宿16:00−松本18:47−スーパーホテル松本駅前・泊
(9/21)松本6:00−穂高6:28〜35(TAX)−中房温泉7:23〜38−第二ベンチ8:50−合戦小屋10:50〜11:05−燕山荘12:20・同泊
(9/22)燕山荘6:00−燕岳6:30〜45−東沢乗越8:20−稜線(東沢岳)9:15−昼食11:00−餓鬼小屋13:10・同泊
(9/23)餓鬼岳往復−餓鬼小屋5:55−大凪山7:45−最後の水場9:10−魚止めの滝9:40−白沢登山口11:00〜10(TAX)−大町温泉郷・薬師の湯−大町温泉13:50−長野15:15〜50−大宮17:00
参加者 古閑、染谷、松島、山本 4名
係り 染谷
記録 松島


燕山荘前でキネパチ

 9月21日(土)晴れ
 前日に松本駅前のビジネスホテルに投宿。早朝6時松本発の大糸線の電車に乗る。実りの秋を迎えた安曇野を電車はのんびり走り朝霧の中の穂高駅で下車。予約のタクシーの運転手の話では稲刈りの頃の安曇野の霧は名物だそうだ。三連休の初日でしかも好天とあって、運転手の話では中房温泉の駐車場は登山者の車で満杯で道路脇にも駐車する車のために狭い林道は混雑すると云う。大型バスとのすれ違いに時間がとられはしたが、ほぼ予定時間におおぜいの登山者で賑わう中房温泉に到着。身繕いを整え、いざ出立となったが、登山口での登り下りの混雑で早くも渋滞ぎみ。ここは北アルプス三大急登の一つの数えられる合戦尾根だ。こころして登ろう。この登山道はよく整備されていて、歩きやすく、いつの間にか合戦小屋に着く。ここまで来れば、燕山荘までは指呼の間、皆さんくつろいで名物のスイカにかぶりついている。途中で何度か渋滞があったものの5時間弱でお昼過ぎには御殿のような燕山荘に着く。ごったがえす小屋に入って受付を済ませて案内されたのがニ階のお蚕棚の下段二畳敷きで、ここが今夜のねぐらとなる。

燕山荘への道

紅葉と秋空

 合戦尾根経由燕岳のこのコースは北アルプス登山の入門コースであろうからして、カラフルな最新の山ファッションの若者たちがこんなに多いのだろう。これも昨今の山の賑わいとしばしベランダからジョッキ片手にめずらしい若者たちを観察してしまう。
 山荘の食事はなんと5交代制だった。食後は恒例の赤沼社長みずからのアルペンホルンの演奏があり、この夜、赤沼さんはたぶん5ステージ務めたのだろうな。

燕岳ほぼ山頂にて

やっと餓鬼岳山荘に着きました

 9月22日(日)晴れ
 山荘の前で浅間山の山巓から登る御来光を写真におさめ、赤沼さんにキネパチをお願いしたり、周囲を見渡して山座同定を楽しんでいざ燕岳を目指して出発する。今日もお山は晴天。花崗岩の奇岩怪石のオブジェが点在する燕岳の山頂で体調がすぐれない古閑さんが下山を申し出る。ここで彼女に見送られて三人で出発する。左手に七倉ダムを確認、これから辿る稜線の縦走路の遥かかなたに目指す餓鬼岳がのぞまれる。夏の花が終わってときどき名残りのリンドウなどが咲いている。その稜線から東沢乗越まで500m近くをいっきに下り、東沢岳まで再び250mほど登る。途中で有明山から藪漕ぎをしてきたという若者グループが疲れきって休んでいる。東沢岳の手前で追いついたのが後で知ったのだがJACの01会のSさんだった。われわれは先を急いだが、あとで餓鬼岳小屋でSさんに改めてご挨拶をしたのだった。
 ここからが今日の核心部で岩峰群の剣ズリがだんだん近くなってきて、左から大きく巻く道をとり、回り込んでぐんぐん下り再びやっこらさと登り返して稜線に出る。そこから仁王立ちしたいくつかの花崗岩のいかつい岩峰をこれでもかこれでもかとアルミのブリッジやハシゴで越えていく。途中ですれ違ったご婦人がこれからがお楽しみよ、と謎めいた言葉を残したその意味はこれなのだろう。そして、餓鬼岳のテント場もみるみる近くなって、人に例えれば昔気質の孤老といったおもむきの餓鬼岳小屋にようやく着く。小屋の裏手の餓鬼岳はやはり気になる孤高の山だ。
 収容人員は30人くらいなものか、餓鬼岳小屋もがらになく混んでいて、われわれがねぐらに指定されたのは別棟のプレハブで同宿は小千谷から来た男性一人、女性3人のすこぶる元気な中年高年グループ。全員が年金生活者で小学校も同じ近所の山仲間だとのことだが、三百山でも登っているといえば分かりやすいのだが、登っている山は玄人好みでいささか謎に満ちた人たちだ。小千谷は田中角栄、田中真紀子さんの選挙地盤でよもやま話は田中親子の地元の評判にまで及んだ。

餓鬼岳山頂にて

シラヒゲソウ

 9月23日(月)晴れ
 朝食後、餓鬼岳山頂で日ノ出を迎えて下山にかかる。同室の小千谷のグループが先に出て、われわれも後を追うように小屋を出る。これからいよいよ白沢口までは標高差1500mの下降。出だしのつづら折れの百曲がりから長い針葉樹林帯の尾根道をひたすら下る。大凪山を通過したのにも気づかず、急なガレ場で何度も足を取られてスリップする連続にいい加減泣き言をいいたくなる。やれやれ最後の水場の標識があるところで迎えのタクシーの予約の電話をいれる。ここからいよいよ核心部の白沢沿いのコースに入る。左岸から右岸、右岸から左岸へと目まぐるしく渡り返し次々に現れる丸太橋、ハシゴ、へつりのクサリを辿って河原を沢通しで下るかと思えば、みごとな落差のある魚止めの滝や紅葉の滝は高巻く。まことに変化に富んだこのコースは紅葉の時期はさぞや見事な景観に違いない。この登山道の整備にあたる関係者に感謝しつつ、いつかまた訪れたいものだと思う。
 11時ようやく白沢口の林道終点の駐車場に着き緊張がとけてほっとする。早速予約したタクシーに飛び乗り大町温泉郷の薬師湯へ向う。のんびり入浴後、扇沢発大町温泉郷経由の高速バスで長野へ出て、新幹線で帰京した。
 芳村さんの案内でこの連休に計画された北九州をめぐる山旅が延期になり、代わりに計画したのが今度の燕〜餓鬼の縦走で、季節の移り変わりを感じながらの前半は賑やかな、後半は静かな山旅でした。


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