4月山行 春の御前山

日程 2004年4月25日(日) 晴れ
コース 武蔵五日市=(タクシー)=登山口…(中尾根)…クロノオ山…御前山…惣岳山…(大ブナ尾根)…奥多摩湖=(バス)=奥多摩駅 (解散)
参加者 新井、石岡、植木(信)、小山、斎藤(知)、柴山、高橋(武)、高橋(宏)、辻橋、堀内、山本、吉田、渡辺  (13名)
記録 斎籐知茂

 4月25日、天気予報では東京の最高気温は17度と報じられ、4月下旬としては、大変寒い日であったが、晴れ男で名高い小山氏の参加のおかげか、快晴に恵まれた。
今回の山行は、山遊会高橋会長がこよなく愛する奥多摩(自称庭先)の御前山(東京都檜原村)に、人がほとんど入らない特に会長ご推奨のルート・中尾根経由で御前山山頂を目指し、カタクリの花ときれいな夕日を見ることが主な目的である。
私は、集合場所の武蔵五日市駅に集合時間の9時より約1時間前に到着した。駅前広場にはシーズン到来で、登山客があふれている。気温の心配からか雪山にでも行くような完全装備の人が多く目に付いた。
やがて時間になり、参加者一同は駅前広場の一角に集合し、それぞれ簡単な自己紹介を行った。総勢13名(内女生2名)であった。


銅葺屋根が光っている立派な祠


祠の前の小さな狛犬
 我々は、それぞれ3台のタクシーに分乗し、秋川渓谷に沿って約25分でカノト岩の少し手前の登山口に着いた。身繕い、準備体操の後、9時35分出発した。
少し行くとキャンプ場「桧原ウッディハウス村」があり、その裏手が中尾根の入り口だった。いきなり急登で脹脛を突っ張りながら登りはじめた。登山道は落ち葉で柔らかく歩きやすいが、檜原村の名が示すとおり両サイドびっしり檜林に覆われていた。その暗さを打ち消すかのように小さく可憐な草花(エイザンスミレと聞いた)が約2メートル間隔で路傍から微笑みかけてくれ、われわれを歓迎してくれているような気がして心和んだ。


カタクリ


山頂にて

 約30分すると檜林が途切れて明るく平らなところに出たので、小休止をとった。辻橋嬢がすかさずこの場所を「アッコ平」と命名した。果たして何個目の「アッコ平」なのだろう。いつの日かマップに多数「アッコ平」が本当に記載される日がくるのかどうか、疑いつつ談笑した。足元を見ると春リンドウ、チゴユリなどの可憐な花たちが、われわれの話を聞いてくすくすと笑っているように見えた。
さらに高度を上げてゆくと兜岩と呼ばれる大きな岩があった。その昔畠山重忠が岩の上に兜を置いて休んだのが、兜岩の由来との事である。
さらに進むと大きな杉の木の根元に銅葺屋根が光っている立派な祠があった。御神酒が供えられ、新(改)築された直後のようで清酒が供えられていた。清酒には「喜正」のラベルが張ってあった。「喜正」は地元でしか手に入らない逸品のようで、山遊会のメンバーは祠より御神酒に熱い視線を注いでいた。祠の前には小さな狛犬、ユーモラスな母子ずれの狼がおかれ、秩父から多摩にかけての地域の一体感を感じた。後に檜原村役場に問い合わせたところ、この祠は「山ノ神」と呼ばれ個人の方が信仰心から祭ってあり、大岳山にある大岳神社の流れを汲むものであるとの説明を受けた。


惣岳山へ


エイザンスミレ

 我々は、そろそろ腹が減ってきたのでクロノ尾山頂に出る前に、ホオの木の若葉からやさしい木漏れ日が射し込む風通しのよいさわやかな場所で、昼食タイムをとった。娘さんを連れた3人の親子ずれが横を通り過ぎた。この尾根で人に会うことは珍しいという。名所も多く人も少なく、本当によい尾根である。
クロノ尾山頂(1170m)から左に折れて御前山に向かうルートに入ると、とたんに登山者が多くなった。1・2のピークを過ぎると左手に、やはり御前山に通じる湯久保尾根が見えてきた。さらに御前山に向けて高度を上げてゆくと、待望のカタクリに出会った。
密生している感はないが、かなり広範囲にわたり咲き誇っていた。下山してきた方に聞くと、このあたりがカタクリの中心地だと教えてくれた。事前情報で、無粋な柵で囲まれていると聞いていたが、柵は見当たらなかった。カタクリに混じってニリンソウ、エイザンスミレ、頭上にはヤマザクラも名残を惜しんで咲いていた。


不思議な植物(ヤマウツボ)


奥多摩湖を望む

 13時15分御前山頂上(1405m)に着いた。頂上は広く平坦でいくつかのベンチやテーブルが設置され、周りは潅木が多く、あまり展望はよくないが、休むには絶好の場所だ。
十分な休養のあと記念写真を撮り下山を開始した。惣岳山から右に折れ、大ブナ尾根を通って小河地ダムに向かうルートだ。こちら側は一転してざらざらな急斜面の連続で、息を抜けない。約1時間ほどで平坦な場所に出て、ほっと一休みだ。
出た!!!。武蔵五日市駅周辺で仕入れてきたらしい、地酒の数々。高清水、千代鶴、富士の舞等々、下山後の反省会を待ちきれず。
大休止のあとさらに下山してゆくと、4時を過ぎたあたりで薄雲が発生し、目的のひとつである夕日はあきらめざるを得なくなってきた。途中展望の開けたサス沢山や奥多摩湖の展望台で、山座同定、景色を堪能した後小河地ダムに17時全員無事下山した。
反省会の場所はそこしかないという奥多摩駅前のそば屋「寿々喜家」だ。あいにく客でいっぱいだったが、空くまで待った。酒はもちろん奥多摩の銘酒「澤乃井」で乾杯だ。
カタクリをはじめたくさんの花々、奥多摩の新緑、地酒、おいしい蕎麦と、夕日だけは見られなかったがほぼ目標達成だ。
反省会中にいただいた、こしあぶらの葉を天ぷらにすべく一目散に家に向かった。


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