個人山行 大岳山夕陽をみる会

日程 2003年5月4日(日) 晴のち薄曇り
山域 奥多摩
山名 大岳山
参加者 高橋(武)、菅原、山本、小山 4名
記録 小山

 9時30分奥多摩駅タクシー乗り場集合。タクシーで海沢谷へ向かうが、営業車の入山制限があるらしく、林道半ばで下車。登り口の東屋まで歩く。ここでは川原でキャンプを楽しむ子供連れの家族や若い男女を見ながら休む。
高橋さんの掛け声で出発。高橋、小山、菅原、山本の順に歩き始めた。登山道の脇に立つ道標の隅に「悪路」の文字を見つけた。道は踏み跡が殆んど無く、階段の丸太は朽ちていて原型を失っている。滑りやすい坂道同然だった。左に沢の流れを聞きながら歩む。時折出現する滝壺を眺めた。今夏菅原さんが企画している沢登りの下見も兼ねてゆっくり進む。
大滝では、菅原さんが留守居でザックを見張ってくれた。高橋さんと三人で降りた。落下する水が交叉する岩のところで霧状になり、顔にはわずかだが、飛沫がかかる。涼しい。額の汗がすうっと引いていくようだ。後から登ってきた若い男女5人に高橋さんは、大滝を見た方がいいとすすめた。明るい笑顔の若者グループは運動靴を履いた出で立ちだが、元気に降りていった。
登山道の左側には、新緑の木々に劣らない青々としたワサビ畠があった。バリケードのように張った網を覗くようにして歩き続けた。この道は麓の農家の作業道のようで荒れ放題だ。
大岳山頂上から夕陽を眺めるまでには時間はたっぷりある。高橋リーダーは亀さん足の小山を振り返りながら時には待っていたり、遠くへ行ってしまったり、気を使って歩いた。健脚の菅原、山本両氏は、手綱を締めて堪えながら歩いていた。
最後の急登が終って頂上手前の稜線へ出たところで、腰をおろして休息。軽い食事を取る。空はわずかに曇っているが風が無く、快適な一時をすごす。このルートは登る人も下る人も数えるほどで、静かな山道だ。





 12:30 大岳山(1267m)山頂へ着いた。二等三角点へ右手を置いて挨拶。大勢の老若男女が居るのにはびっくりした。少し下ったところに平地を見つけツエルトを張った。マットを広げて夕暮れまでの「峠の茶屋」を完成させた。メンバーが担ぎ上げた食べもの、飲みもの等をテーブル・スペースの枠内に全部陳列。
銘酒4合×2、ウイスキー(白州工場非売品)1本、ビール500mL1本、ブランデー(少量)、コーヒー、蕎麦粉、柿ピー、ソーセージ、チーズ、ビーフジャーキー、さきいか、水1L×3、巻ずし(小)×3
先ず菅原さんの発声に合わせてビールで乾杯。夕陽を拝むまでの間、静かに野宴を楽しむ手筈である。隣で陣取る仲睦まじい中年夫婦にカメラのシャッターをお願いした。挨拶代わりにチーズ2ヶ持参した。





 2時過ぎ人の気配は無い。吾らの陽気な笑声だけが響く。真面目な話だが、吾が山遊会は登山中の飲酒を厳しく禁じている。今回の「峠の茶屋」開店は遠山代表へ高橋副代表はなんと言って報告するのだろうか。(高橋さん、皆んな同罪ですからネ)
日暮れが近づいてきた頃、高橋さんが「蕎麦がき」をつくった。熱い内に瞬く間に仕上げる高橋さんの手さばきがあまりに見事で驚いた。ワサビ醤油にちょいとつけて食べた。うまい!コーヒーで口直ししてお開きとした。
山頂から御前山へ向かって右方向にゆっくり沈む太陽を遠くに眺める。雲に分け入るというより、すうっと雲隠れするようだ。周囲が暗くなるにつれて赤々とした光の輝きが目立つ。静から動へ光の幻想的なシーンに見とれる。無風、静寂、不思議な闇に感動を覚えた。姿を消す寸前に帯のように左右に広がる赤い光は何んだろう。皆んな何を思うか、自然が織り成す美しい絵を見つめて無言。





 18:10 高橋さんが「行こう」と言った。10分ほどで大岳山荘展望台へ着いた。馬頭刈尾根を真正面に眺めた。未だ頂上で受けた感動の余韻が残っている。最初にヘッドランプをつけたのは小山だ。どんどん暗くなるのに高橋リーダーの足は快調に進む。急な階段があったり足元は要注意だ。芥場峠で休息。真暗だ。急ピッチで下る。19:40 長尾平では腰を降ろして休む。御岳神社に手を合わせ拝んだ後、ケーブル御岳山駅へ行く。途中で宿坊の客2人に「遭難しないでネ」と声をかけられた。
20:00 ひとっけの無い駅を後に表参道を下る。曲がりくねった道は先に行く高橋さんのライトがゆれてホタルの舞のようだ。ケーブル下から大沢川に沿って歩く。川の流れの音が、やけに響いてくる。巡回監視と思われる軽自動車と何度も行き交わう。先に行く高橋さんと山本さんが吉野街道で待っていた。菅原さんは小山を先導していた。多摩川の吊り橋を渡って青梅街道に出た。
21:45 御岳駅着。22:10 立川行きに乗車。23:05 立川駅到着。
この夕陽を見る会を企画実行した高橋さん、同行の菅原さん、山本さんに感謝。ただ惜しむらくは、打ち上げが先送りと相成ったことだ。


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