あきがわきゅうりょう

多摩川・秋川に沿って広がる丘陵のひとつ。都立自然公園に指定されています。主峰は、わずか264mにすぎないものの、雹留山(ひょうどめやま)という、ちょっと気になる名前を持っています。街道に古い造り酒屋があり、二条城跡という史跡が標識の重要ポイントになっています。レジャーランドやゴルフ場など大規模開発の波に洗われ押しつぶされそうな丘陵ですが、まだまだ豊かな自然を感じることができるコースです。

   
スタート/JR五日市線秋川駅
JR五日市線秋川駅です。南口を出て線路沿いに拝島方面に少し戻ると国道411号/滝山街道に出ます。交通量が多く歩道も狭いので気をつけて歩きましょう。登山口まで路線バスがあるので、あまり待たなければ利用しましょう
  国道411号/滝山街道
10分くらいすると右手に「中村酒造」が見えてきます。地酒「千代鶴」の醸造元。1804(文化元)年の創業だそうです。圏央道が見えてきます。30分ほどで秋川にかかる秋留橋を渡るとサマーランドの大きな看板が目につきます。トンネル入り口そばで横断歩道を渡り左側の秋留橋バス停前の工事現場広場が登山口です
  住吉神社
道なりに切通の急坂を20分くらい登り詰めると住宅が並ぶ道の奥に鳥居が見えてきます。住吉神社です。春には境内の桜がお花見できるでしょう。裏に回り込んで雑木林の道が丘陵上のコースとなります。狭くぬかるんだ滑りやすい尾根道ですから十分周りに気をつけながら歩きましょう
   
二条城跡
両側が崖になって道を進み孟宗竹の林を抜けると小さな祠がまつられている場所に出ます。二条城跡のささやかな広場です。根古屋城、戸吹城とも呼ばれ、戦国時代に築城した跡です。コナラなどの落葉樹が続く尾根道はだらだらと続きます
  コース案内のプレート
周りは雑木林。小鳥の声などを聞きながら、しばらく進むと左側にゴルフ場があり、プレーヤーの声などが聞こえてきます。高圧線の鉄塔が右手に見える広場に出ると奥多摩の山並みが遠望できる場所に出ます
  雹留山(ひょうどめやま)
雹留山(264m)です。コースには地元の方が作った看板がありますが、気がつかずに通り過ぎてしまいそうになります。左手の小さな傾斜を上がれば、樹木にネームプレートがくくりつけ付けられていて、そこが頂上だと推測されます
   
サマーランドの裏ゲート
サマーランド自然園の裏ゲートがあります。このあたり、ゴルフ場があったり、廃棄物処理場があったりして周囲はフェンスだらけ。過ぎると、緩い下り坂になり、上川霊園の墓地が左下の方に見えます
  御前石
崖上に御前石といわれる石があります。説明板はありませんが、三角の形をしていて、かつて馬をつないだ石だそうです。駒つなぎ石とも呼ばれています。進めば上川峠です。戦国時代の武将が行き交ったと伝わっています
  秋川からのパノラマ風景
五日市カントリーゴルフ場を左に舗装道路を下ると山田大橋のふもとにある信号交差点に出ます。橋の上からは秋川からのパノラマ風景が楽しめます。大橋を左折すれば、秋川丘陵が網代弁天山を経て五日市方面に続くのですが、都道をまっすぐ進めば武蔵増戸駅です
都道411号/滝山街道は、トラックが多く埃っぽい。季節によってはマスクをしましょう。秋川丘陵への登山口はわかりにくく、工事現場でトラックが出入りしていることがあります。十分気をつけて通り抜けましょう。
尾根道コースに出て住吉神社から二条城跡の間は滑りやすい赤土帯です。さらに孟宗竹の根がからんでいますから足元には十分気をつけて歩いてください。時間帯や季節によってヤブ蚊、ブヨなどの虫が発生します。虫よけ対策を注意しましょう。
登山シーズンは、桜の咲く4月、新緑の5月、また紅葉の頃がお勧めです。
アクセス [中央・五日市線]
JR立川 → 青梅(乗り換え)→ 秋川。

立川から武蔵五日市行きだと直行、奥多摩行きは青梅で乗り換え。土日・祝祭日にはホリデー快速あきがわ号があり、中央線から乗り換えなしで秋川まで行ける。登山口の秋留橋までバスがあるが、1時間に1本。八王子からも出ている。
コースタイム 秋川駅 →(40)→ 秋留橋/登山口 →(40)→ 二条城跡 →(35)→雹留山 →(5)→ サマーランドゲート →(30)→ 山田大橋→(30)→ 武蔵増戸駅

ゴールになっているJR武蔵増戸(むさしますこ)は、
なぜ「増戸」と名付けたのでしよう ?

住宅は1戸、2戸と数えます。住宅が、少しでも多く増えるよう「増戸」と名付けたそうです。実は、1889(明治22)年に伊奈や山田、網代、横沢、三内の村が合併しました。新しい村の名前を「増戸村」としたのです。1955(昭和30)年、増戸村は五日市町、小宮村、戸倉村と合併し、五日市町として発足しました。増戸村は消滅したのですが、JRの駅名として残りました。駅は1925(大正14)年、五日市鉄道が拝島~武蔵五日市間に開通と同時に開業しました。

歴史に名残を留める「二条城」は誰が築城したでしようか。

1. 武田信玄

2. 大石定重

3. 北条氏照

確かな記録がなく、はっきりとは分かりませんが、二条城(別名/戸吹城、根古屋城)は、戦国時代に小田原の北条が武田の侵略を防ぐ目的で整備した砦だと推測されています。ずうっと西の檜原村からほぼ一直線に、また等間隔で檜原、戸倉、網代、戸吹、滝山といった城跡があり、それらの多くは見張り台や狼煙台の役目を果たしていました。滝山城は越後・上杉の重臣だった大石定重が築城したが、のち北条の軍門に下ったことから、戸吹城も最初は大石がつくったとも考えられています。

秋川丘陵情報

あきる野市 Tel. 042-558-1111
中村酒造 Tel. 042-558-0516
西東京バス 五日市営業所 Tel. 042-596-1611

 

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日本山岳会 東京多摩支部

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