くろふやま

浅間山は群馬県と長野県の県境にある標高2568mの今も噴煙を上げる活火山で、その西側に連なる外輪山の中で最も高いのが黒斑山(標高2404m)です。その山頂からは目の前に浅間山を望み、眼下には深く切れ落ちた斜面の下にのどかに広がる湯の平が印象的です。山頂へは西の車坂峠から表コースを登り、中コースを下山するのが一般的です。一部やや急な登りもありますが、全体的に登りやすい道で家族登山にも適しています。

   
車坂峠
小諸の街からからつづら折れのチェリーパークラインを登り切ると長野県小諸市と群馬県嬬恋村を分ける標高1973mの車坂峠です。ここは眼下に広がる佐久平から蓼科、北八ヶ岳などの山並みを望む展望台です。レストランを併設したビジターセンターやトイレ、駐車場もあり、黒斑山の登山口としてにぎわっています
  カラマツと展望の道
車坂峠から尾根沿いの表コースを登ります。カラマツの多い道で、最初は緩やかですが、小さな丘のような車坂山を下ってから、やや急な登りとなります。登るにつれて景色も良くなり、振り返ると西の湯の丸山へと延びる稜線の上に鹿島槍や槍穂高などの北アルプスの山並みが見 られます
  槍ヶ鞘
噴火時などに身を守るためのシェルターの脇を通るとすぐ槍ヶ鞘のピークです。ここで初めて浅間山の姿を眺めることができます
   
トーミの頭
槍ヶ鞘のピークから少し下り、岩のゴロゴロした急な登りをゆっくりと注意深く登ると、外輪山の一つトーミの頭の頂上です。頂上付近は岩山になっていて、目の前の浅間山を中心に素晴らしい展望ですが、足元には注意しましょう。特に浅間山側は切れ落ちています
  黒斑山
岩山のトーミの頭から道標に従って、北西へのびる外輪山の尾根を進みます。すぐ森の中の道に変わり、展望もなくなりますが、やがて火山観測機器を見ると頂上はまもなくです。黒斑山頂は静かな狭いピークですが、浅間山方面の展望が開けています
  中コース
下山はトーミの頭を下りきったところで道標に従って、右の中コースへ入ります。表コースの北側にある沢沿いのコースで眺望はほとんどありませんが、車坂峠へ下山するにはこのコースを下るのがよいでしょう。一部登山道が深く掘られ、歩きにくいところがありますが、やがて目の前が開けると峠も近づき、緩やかな道がビジターセンター付近へと導いてくれます
浅間山の噴火警戒レベルなど最新の情報を必ずチェックして、コースの安全を確認してから出発してください。
また、槍ヶ鞘から黒斑山までの間の尾根には大小の岩石が転がった足場の悪い急な登りもあります。また外輪山の浅間山側は急な崖となって切れ落ちていますから足元に気をつけて歩きましょう。
アクセス JR小諸駅 → JRバス関東高峰温泉行(40分) → 高峰高原ホテル前(車坂峠)
コース 車坂峠 → 表コース → トーミの頭 → 黒斑山 → トーミの頭 →中コース → 車坂峠
親子
コースタイム
車坂峠から表コースでトーミの頭経由、黒斑山へ。帰路はトーミの頭から中コースで車坂峠へ4時間
交通 ●バス利用 
高峰温泉行のバスは北陸新幹線佐久平駅始発で小諸駅を経由して車坂峠へ向かいます。東京方面からなら新幹線利用で佐久平での乗り換えが便利ですが、朝1本、午後1本のみです。

●車利用
上信越自動車道小諸インターからチェリーパークラインで車坂峠へ向かいます。車坂峠ビジターセンター周辺に駐車場がありますが、ハイキングシーズンの週末などは混雑します。満車の場合はさらに進んだアサマ2000パークスキー場の駐車場に停めることになります。

黒斑山は2 万数千年前の大崩壊でできた

浅間山は今も噴煙を上げる活火山です。三重式火山と言われ一番外側の外輪山の最高点が黒斑山です。黒斑山はここにもともとあった火山のかけらのような山で、標高3000mほどの富士山のような姿をしていた火山が2万数千年前に大崩壊をおこし東側にカルデラを作ったと考えられています。
トーミの頭や黒斑山の東側は鋭く切れ落ちていますが、その崖こそ、この2 万数千年前のこの大崩壊の名残なのです。そしてそのカルデラの中にやがて前掛山が生まれ、さらにその中央火口丘として誕生し、江戸時代の天明の噴火のあと急成長を続けているのが山頂の釜山です。

浅間山の火山を知ろう

車坂峠にある「高峰山ビジターセンター」に、NPO法人浅間山麓国際自然学校があります。ここでは浅間山麓の自然体験プログラムを実施していて、その中に「浅間火山学習」があります。黒斑山に登って、火山の噴出物や崩壊地などを見、火山の仕組みや浅間山の歴史などを学習するコースです(ただし、団体のみ)。

黒斑山は「花の百名山」に選ばれています。とくに著者の田中澄江はヒメシャジンに感激したとあります。では、このヒメシャジンの「シャジン」とは何?

1. 砂の人の意味

2. ニンジンの意味

ヒメシャジンは漢字で「姫沙参」と書き沙参とはニンジン(人参)のことです。キキョウ科ツリガネニンジン属ですが、まったく野菜のニンジンや薬用のチョウセンニンジンとは、まったく違います。釣り鐘のような花の形をした紫色の美しい高山植物です。

3. 写真の意味

黒斑山に登るコースの途中に「トーミの頭」というのがあります。「トーミ」とはどういう意味でしょうか?

1. 「東御市」からきている

2. 「唐実」からきている

3. 「遠見」からきている

諸説ありますが、遠くまで見えるので「遠見(とうみ)」→「トーミ」が有力です。東御市ができる前から、この名前がついていました。そのほかにも「Jバンド」 という場所もあります。その意味は、自分で調べてみてください。

黒斑山情報

小諸市観光協会
浅間山火山防災連絡事務所(浅間山火山情報)

 

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日本山岳会 信濃支部

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