ひとめやま・みそこぶし

この2つの山は九重連山(くじゅうれんざん)の西の端の、長い稜線の上にある小さな山で、周りがほとんど草原状の丘の連なりで、その緩やかな隆起は家族などでハイキングをするのには最適な山です。そして、小学校も高学年になったら、その稜線の先にあるちょっと高い山、涌蓋山(わいたさん)まで登ると、九重連山の展望台で、すばらしいながめと、歩いて来た稜線を遙かに見ながら大きな達成感を味わえます。四季を通じて容易にハイキング気分を楽しめますが、真夏の炎天下は日陰がないので注意しましょう。歩く稜線は大分県と熊本県の県境で、大分県側はちょっと急な斜面で、その向こうに九重連山が、熊本県側はなだらかな牧場風景で、歩きながら両方の景色を楽しめます。

   
ヤマジノギク   涌蓋山への分岐から振り返って見たみそこぶし山   オミナエシ
   
一目山の三角点(三等)   ワレモコウ   みそこぶし山

登山口とコースの概略
2つの登山口となりますが、スキー場のある一目山登山口から登り、ひぜん(疥癬)湯登山口に下るのがよいでしょう。しかしこの登山口にはバスの便がないので、できたら2つの家族2台の車で、1台をひぜん湯登山口に置いて、もう1台で一目山登山口まで行って、下山後車を回収にもどるのがよいでしょう(ひぜん湯に車を置いて一目山登山口まで歩けば約1時間)。

スキー場の手前の登山口から、目の前に見える一目山に向かってまっすぐに登っていきます。広い草の斜面は急な登りです。一歩ずつ登っていきましょう。まわりがよく見えるので景色を楽しみながら登るとよいでしょう。まるで小さな円錐形の山で、山頂からのながめは最高です。景色を楽しんだら北の方に見えるみそこぶし山を目指します。ちょっと急な斜面を足下に注意しながらまっすぐ下ります。下り着くと牧道で、その道が稜線に沿って緩いアップダウンで続いています。のどかにゆったりと稜線歩きを楽しめます。小さなピークを緩く3つ登り越して、最後にちょっと大きく登りついたところがみそこぶし山です。前方に大きく涌蓋山が見えます。みそこぶし山から草原を緩く下ると、広い牧草地の中で左右に道が分岐します。左に行くと涌蓋山で、これを右に行き牧柵を越えて広い道を行き、反射塔のアンテナの手前から右に緩く下る小径をとります。カヤの深い道で、足下が掘れているので注意しましょう。下るにつれてだんだん急になり、足下が悪いのでいっそう注意しましょう。カヤ野を下りきると、林道に出て、その先の分岐を左に行き林の中をちょっと下ると、温泉のある川岸に出ます。橋を渡ると車を置いてあるひぜん湯です。

涌蓋山に挑戦する場合は、みそこぶし山から下った広い草原の中の左右の分岐を左に行き、林の中を抜けると古い林道に出ます。それを左に100mほどで涌蓋越(わいたごえ)で、ここから右に林の中に入る小径を登ります。林の中をジグザグ登りで、傾斜が急になると林を抜けます。周りの景色を楽しみながらゆっくり登ります。涌蓋越から1時間ほど登ると雌岳で、ちょっと平らになり、目の前の山頂目指して最後のがんばりです。雌岳から25分ほどで広い、山頂に着きます。360度の大展望を楽しんで下さい。下山はみそこぶし山の下の分岐まで戻り、ひぜん湯に下ります。

一目山と涌蓋山を結ぶと、ちょっとした縦走気分が味わえます。
アクセス バスはJR豊後中村駅 →(日田バス)→ ひぜん湯バス停、筋湯行きがありますが、一目山登山口までは行かないので、自家用車がよいでしょう。
(大分自動車道九重ICから一目山登山口まで24km、45分)
コース 一目山登山口 → 一目山 → 涌蓋山への分岐 → ひぜん湯
親子
コースタイム
一目山登山口 →(30分)→ 一目山 →(1時間10分)→ みそこぶし山 →(10分)→ 涌蓋山への分岐 →(1時間)→ ひぜん湯(3時間・休憩時間を含まず)(筋湯のバス停から車道を歩くと、40分で一目山登山口)
 
(涌蓋山に挑戦コース)涌蓋山への分岐 →(15分)→ 涌蓋越 →(1時間)→ 雌岳 →(25分)→ 涌蓋山 →(1時間)→ 涌蓋越 →(15分)→ 涌蓋山への分岐 →(1時間)→ ひぜん湯(6時間・休憩時間を含まず)
交通 ●電車利用
1.日田バスで豊後中村駅から1日5便(土曜・日祝日4便)です

八丁原地熱発電所

一目山・みそこぶし山・涌蓋山の周辺は、全国でも有数の地熱地帯で、周辺には、筋湯温泉・黒川温泉を始め、湯坪温泉、岳湯などの温泉地が多くあります。
温泉や地熱を使っての地熱発電も盛んで、筋湯温泉の下流にある大岳発電所は九州で最初(昭和42年8月完成・出力12,500Kw)の地熱発電所。そして一目山登山口の少し下に建設され八丁原発電所は、九州では大岳発電所に次いで2番目で、日本最大の地熱発電所です。 誰でも見学ができますから山から下りたら是非見学してください。

はげ温泉と筋肉温泉??

涌蓋山の西麓には「はげの湯温泉」があります。名前の由来は、温泉の成分で草木が育たない場所や湧蓋山の日当たりがいい場所を「はげ」と呼んだことだそうです。4軒の旅館や共同浴場などがあり、温泉地の地面のいたるところから、湯煙が吹き上げています。また近くには、2mの高さから湯を落として筋肉をほぐす、「筋湯」もあります。筋湯温泉には30件近くの旅館があり、1000年以上の長い歴史を誇っています。

みそこぶし山とはおもしろい名前ですが、この由来は何でしょうか。次の中から正しいものを選んでください。

1. 三方からみて拳(こぶし)があるように見える「みところぶし」から

2. 姿形は高く見えるが実は低い「みそこない武士」から

3. 味噌をこす竹カゴを伏せた形から「味噌カゴ伏せ」から

山の形が、味噌をこす竹カゴを伏せた形からきているといわれています。一目山は、豊後と肥後を結ぶ峠道を一目で見下ろすことができたためつけられたとされ、涌蓋山は、背比べで負けた万年山に蹴られて、湧いたようにこの場所にきたので呼ばれるようになったとされています(民話)。

八丁原地熱発電所は日本で最大の地熱発電所です。では世界一の地熱発電所はどこでしょう?

1. メキシコのセロ・プリエト地熱発電所

セロ・プリエト地熱発電所は、720MW(2000年)の発電容量を持つ世界最大の地熱発電所です。八丁原地熱発電所は11万kW、日本全体でもおよそ530MW(2010年)なので、その大きさがわかります。ただ日本列島に埋蔵されている地熱は、33GW(33,000MW)におよぶという計算があり、有望視されています

2. インドネシアのサルーラ地熱発電所

3. アイスランドのスヴァルスエインギ地熱発電所

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日本山岳会 東九州支部

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