いいださん

飯田山(431m)は熊本平野の北東部に位置し、お椀を伏せたようなきれいな形の山で、西の金峰山と対峙しています。昔話で「西の金峰山と背比べしようということになり、金峰山と飯田山に樋を架け、有明海の水を流したそうです。金峰山(665m)が高かったため、水は飯田山へ流れ、そのこぼれた水が頂上直下の池と熊本市内にある江津湖になったといわれています。それ以来、高さで負けた飯田山は、「もう、高さの事はいいださん」といったそうな」の言い伝えがあります。
山腹には平安時代末期に創建された「天台宗 常楽寺」があります。この参道には麓から60間(約100m)間隔で石仏が安置されており、一丁から十四丁までの里程となっています。
山頂まで車道があるが、一般車は通行不可。常楽寺までは林道を利用していくことができ、お寺の前に駐車場とトイレがあります。山頂は広い公園になっており、見晴らしもよく熊本平野を一望でき、遠くは普賢岳、金峰山などが望まれます。

   
歴史ある常楽寺   益城町から見る飯田山   常楽寺の門
   
常楽寺の裏手にある登山道
この右手に男坂があり急坂を登ると近道
  山頂の三角点、埋め戻したのか方向がずれている。   民間の寄贈による山頂広場の観音像
飯田山の登山道には15の石仏が安置されいます。台座には一丁から十四丁までの番号が付けてあり、常楽寺と登山口の里程が示されています。一丁は約100mですので登山道の距離は約1400mです。各石像は一丁が不動明王、二丁が釈迦如来、三丁が文殊菩薩、以下普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勤菩薩、薬師如来,千手観音、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閃如来、大日如来、虚空蔵菩薩、そして十四丁に不動明王があり、登山口(常楽寺)には水子地蔵が安置されています。
アクセス ●公共交通利用
【産業交通バス】交通センタ− → 木山 → (木山・御船間) → 下砥川下車(徒歩)

●車利用
九州高速道・砥川インタ− → 下砥川バス停 → 飯田山登山口(5台の駐車場あり)
コース 登山口(P有)〜14丁石仏〜まごべい坂〜4丁石仏〜常楽寺駐車場(15台)〜常楽寺境内〜林道〜山頂直下祠(池)〜山頂広場(1等三角点)
親子
コースタイム
飯田山登山口から常楽寺までは車道を20分程度歩く、常楽寺の裏手からそのまま車道を登っても良いが、男坂の急坂を上ると近道である。約30分で飯田山直下の祠に上がり、5分で頂上。車道は祠までついている(車道を登っても良い)。登山口から約1時間程度
交通 路線バスは産業交通バスを利用するが、交通センタ−から木山行に乗り、木山バス停で御船行に乗車「下砥川」バス停で下車、集落を抜け常楽寺への道を歩く。(約20分で登山口)

平安末期に作られた常楽寺

天台宗 常楽寺は飯田山八合目にあるお寺です。建立は平安末期で歴史ある古いお寺です。
江戸時代には藩主細川家によって参詣でが行われています。境内は苔むした静かなたたずまいで、緑に囲まれ、歴史を感じるお寺でもあります。ここまでは車で登ってこれますが、駐車場には20台近くは駐車できます。

幕末維新の家塾「四時軒」

幕末維新の開明思想家として知られる横井小楠は、安政2(1855)年に沼山津に移り住んだ、家塾「四時軒」を開き。かの坂本龍馬(さかもとりょうま)や「五か条の御誓文」を起草した由利公正(ゆりきみまさ)、「教育勅語」の起草に尽力した元田永孚(もとだながざね)、「大日本帝国憲法」の草案をつくった井上毅(いのうえこわし)らもこの「四時軒」を訪れています。「四時軒」の隣りには横井小楠記念館が建てられており、小楠に関する資料のほか、勝海舟(かつかいしゅう)や吉田松陰(よしだしょういん)、西郷隆盛(さいごうたかもり)などの、小楠にゆかりのある人々の書も展示されています。また、「四時軒」から北東方向へ10分ほど歩いたところに、小楠の銅像や頌徳碑(小楠の徳をたたえる碑)などが建てられている、小楠公園もあり、ここから「飯田山」の端正な山容が望まれます。

飯田山からは熊本市内の江津湖が見えます。江津湖は天然記念物であるスイゼンジノリ発祥の地です。さて、スイゼンジノリとは?

1. 水前寺苔と書き、コケの一種

スイゼンジノリは江津湖で発見された食用の淡水産藍藻類です。珍味として、江戸時代に商品化され将軍家へも献上されていました。いまも料亭などで使用されています。ただ江津湖の「スイゼンジノリ発生地」は水質の悪化などで、ほぼ絶滅し、朝倉市の黄金川に生息するのみです。

2. 水前寺海苔と書き、ノリの一種

3. 水前寺糊と書き、デンプンの一種

「天君(あまぎみ)ダムの露頭」は日本で初めて恐竜の化石が発見されたところです。さて御船町恐竜博物館の入口にいる恐竜は?

1. ティラノサウルス

御船層群と呼ばれる地層は、中生代の白亜紀(約9000万年前)の地層で、熊本県のほぼ中央部に分布します。日本で初めて肉食の恐竜「ミフネリュウ」の化石が発見されました。白亜紀後期のものとしては、日本一多くの恐竜化石が見つかっています。詳細は御船町恐竜博物館で。

2. ミフネリュウ

3. アロサウルス

飯田山情報

益城町役場
益城町教育委員会 Tel. 096−286−3111

 

お問合わせ

日本山岳会 熊本支部

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