のこぎりやま

鋸山(標高330m)は鋸の歯のような険しい稜線で、昔から東京湾に入る船の目印とされていました。かつて室町時代から昭和57(1982)年まで、房州石(金谷石)と呼ばれる石材を切り出した石切場跡が残っています。
駅からも近く、徒歩のほかロープウェーや登山自動車道(有料)も整備されており、年齢や体力を問わず誰でも楽しめる山です。また温暖な房総半島に位置しているため1年を通して登ることができ、東京湾をはさんで対岸の三浦半島をはじめ、富士山や晴れた日には大島を見ることができます。
登山コースはかつて切り出した石を運んだ「車力道(しゃりきどう)コース」、東京湾を見下ろしながら登る「観月台コース」がありますが、今回は「観月台コース」を紹介します。行程の前半は金谷駅から鋸山を越えて隣の保田駅まで行く「関東ふれあいの道」になっています。途中、日本寺北口管理所から日本寺境内に入り、日本一の大仏など数々の仏像やすばらしい展望を楽しみます。
また鋸山山頂へは日本寺手前の分岐から分かれ、石切場跡を経由して行きます。参考までにこのコースタイムも掲載します。

   
山頂駅屋上からの金谷港   日本寺北口管理所の外観。ここからは日本寺境内になるため拝観料が必要です   十州一覧台
   
千五百羅漢   地獄のぞきからの君津方面。下に見えるのは富津館山道路   百尺観音
   
東京湾を望む展望台その3。写真中央にうっすらと大島が見えます   鋸山山頂(330m)。三角点が設置されています   観月台からの鋸山。石切場跡の様子がよくわかります

【地獄のぞき】
高さおよそ100mの地獄のぞきからは、東京湾および房総半島、富士山等が見渡せます。

【日本寺(乾坤山日本寺)】
日本寺は約1300年前、聖武天皇の勅詔を受けて、行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。鋸山(のこぎりやま)の南側斜面10万坪余りを境内としており、大仏(薬師瑠璃光如来)、百尺観音像、千五百羅漢石像群などがあります。

【大仏(薬師瑠璃光如来)】
高さ31.05m。正式名称は薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)。奈良東大寺大仏のおよそ1.8倍の高さを誇る日本一の大仏です。奈良天明三(1783)年に大野甚五郎英令が27人の門弟と岩山を3年かけて彫刻したものが原型です。その後昭和41年に4年にわたって修復されました。

【百尺観音】
高さ30.3m。戦死病没殉難者供養と交通犠牲者供養のために、昭和35年から6年の歳月をかけて、昭和41年にかつての石切場跡に彫刻されました。

ロープウェー山頂駅展望台近くに「鋸山山頂」の表示がありますが一等三角点が設置された地図上の山頂(330m)はそこから東方に40分ほど歩いたところにあります。
鋸山山頂周辺は日本寺の境内のため、拝観料(おとな600円 子ども400円)が必要です。
駐車場
鋸山ロープウェー山麓駅駐車場 130台
有料道路専用山頂駐車場 100台 料金1000円(通行料・駐車料金)
アクセス JR内房線浜金谷駅から関東ふれあいの道へ
コース

●関東ふれあいの道(観月台コース)

・登り
浜金谷駅 約6分→ テンゴク堂薬局分岐 約5分→ 関東ふれあいの道・車力道分岐下部 約15分→ 観月台 約40分→ 関東ふれあいの道・日本寺方面分岐(分岐を右へ) 約10分→ 日本寺北口管理所 計約1時間16分

・下り
日本寺北口管理所 約5分→ 関東ふれあいの道・日本寺方面分岐 約30分→ 観月台 約10分→ 関東ふれあいの道・車力道分岐下部 約5分→ テンゴク堂薬局分岐 約6分→ 浜金谷駅 計約56分

*鋸山山頂へのコース(関東ふれあいの道・日本寺方面分岐より)

・登り
自然歩道・日本寺方面分岐(分岐を左へ) 10分→ 石切場跡 5分→ 関東ふれあいの道・車力道分岐上部 15分→ 展望台 15分→ 鋸山山頂 計約45分

・下り
鋸山山頂 10分→ 展望台 10分→ 関東ふれあいの道・車力道分岐上部 5分→ 石切場跡 10分→ 関東ふれあいの道・日本寺方面分岐 計約35分

親子
コースタイム
浜金谷駅→日本寺北口管理所→鋸山 登り約2時間 下り約1時間半
交通 JR内房線浜金谷駅が基点になる

景観は採石が作った?

鋸山は山稜が鋸の歯のような形なので人気がありますが、石材を掘り出した跡の大絶壁の光景もまた、景観を際立たせています。これは江戸時代から建築用石材として、この山の凝灰角礫岩を採石したことによります。「房州石」あるいは「金谷石」と呼ばれて人気がありました。凝灰岩の石材として有名なものには、大谷石(栃木県)、秋保石(宮城県)、札幌軟石(北海道)、日華石(石川県)、笏谷石(福井県)などがあります。

『日本名山図会』に選ばれた鋸山

鋸山は、『日本百名山』(深田久弥)には選ばれていませんが、谷文晁(たにぶんちょう)の『日本名山図会』には、入っています。谷文晁は、1763年(宝暦13年)江戸生まれの人で、日本全国を旅し、各地の山を写生して『日本名山図譜』や『日本名山図会』を刊行しました。これらには、山が描かれているだけでなく、山里の民家やそこに住む人々の暮らしや旅人も描かれています。

鋸山の南側は寺の境内になっており、 大仏や百尺観音像、千五百羅漢像などが安置されています。さて、このお寺の名前は何でしょうか?

1. 千葉寺

2. 房総寺

3. 日本寺

正式には乾坤山日本寺。本尊が薬師瑠璃光如来であるため「日の本に象りて日本寺と名づけしなり」(鋸南町史より)とあります。

千葉県には高い山がありませんが、複雑で起伏に富んだ地形と生い茂る樹林によって、登山道を歩くと山深く感じます。さて、千葉県の最高峰はどこでしょうか。

1. 鋸山

2. 高宕山

3. 愛宕山

最高峰は愛宕山で408mです。高宕山330m、鋸山329mで、千葉県のベスト5は、愛宕山、鹿野山(379m)、清澄山(377m)、御殿山(364m)、富山(350m)です。なお、同じ愛宕山でも、標高74mの愛宕山が銚子市にあります。

鋸山情報

鋸山ロープウェー株式会社 
乾坤山日本寺
鋸南町役場まちづくり課 Tel. 0470-55-1560
保田駅前観光案内所 Tel. 0470-55-1683

 

お問合わせ

日本山岳会 千葉支部 cib@jac.or.jp

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