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中級編 その1

日本は「山国」と言われていますが、さて日本に山の数はいくつあるでしょうか?(国土地理院2万5000分の1の地形図に載っている山の数)

① 1000ぐらい

② 5000ぐらい

③ 1万5000以上

③ 1万5000以上

「日本山名総覧」(武内正著 白山書房刊)によると、2万5000分の1地形図に載っている国内の山の数は1万6667。単純に47都道府県で割ってみると、平均で354もの山が各県にあることになります。実際には地図に載っていない山もあるので、その数はさらに多くが見込まれます。日本は山の国なのです。


高い山には夏でも雪が残っています。次の中で正しいのはどれ?

① 気圧が低いので、温度が低くなる

① 気圧が低いので、温度が低くなる

太陽のエネルギーは地表で熱になり、地表付近の空気が暖められます。暖かくなった空気は上昇し、気圧が低くなるために温度が下がります(断熱膨張と言います)。100m高度が上がるたびに、快晴だと約1度、曇りだと約0.6度、温度が下がります。したがって富士山の山頂は下界と30度以上違う、夏でも冬の気温なのです。

② 酸素が少ないので、雪がとけにくい

③ 地球の地熱が伝わらないため


日本でいちばん低い山は標高何m?
(国土地理院2万5000分の1の地形図に名前と標高が載っている山の中で)

① 5m

① 5m

大阪の南港にある天保山の標高が5m。天保2(1831)年安治川の土砂を積んで作られた人工の山で、2万5000分の1地形図の中で、最も低い山です。ちなみに10m未満の山は、全国に4山あります。仙台市の日和山(6.0m)、徳島市の弁天山(6.1m)、堺市の蘇鉄山(6.8m)。自然地形で最も低い山は日和山です。

② 10m

③ 50m


日本は森の国です。先進国では3番目に森林率が高く、国土の67%が森林に覆われています。では、森林限界とは何でしょうか。

① 高木が生育できなくなる高度の限界

① 高木が生育できなくなる高度の限界

高山では高い木は育ちません。温度、積雪、風などの影響によるものです。そのため、同じ高い山でも北にある山ほど森林限界は低くなります。すなわち北アルプスでは標高2000~2500mですが、北海道の大雪山では標高1000~1500mが森林限界です。これを植生の水平分布といいます。

② 伐採してもいい森林の面積

③ 山火事で延焼しない森林の密度


日本には信仰の山がたくさんあります。いまでも女性の入山が禁止されている女人禁制の山は?

① 比叡山

② 高野山

③ 大峰山

③ 大峰山

日本では古くから山や森は聖なる場所としておそれうやまわれてきました。祖霊や森羅万象の霊がひそむ場所として、あるいは神々が立ち現われる場所として、仏教が渡ってくると修行の場として、あがめられてきました。近年はパワースポットとして、日本人の心の源流に存在し続けています。女人禁制となっているのは大峰山のうち山上ケ岳。古くから山伏の修行の場として女性の入山を断っています。


戦前、富士山は日本で一番高い山ではありませんでした。当時、日本の領有だった台湾の新高山(3952m)が最も高い山でした。新高山は日本名でしたが、いまは何という名前でしょう。

① 雪山

② 台湾山

③ 玉山

③ 玉山

標高3952m。台湾のほぼ中央にあります。清朝から割譲された1895年からポツダム宣言の1945年まで、日本が領有し国立公園に指定されていました。現在は玉山国家公園に指定されており、野生動物の豊かさと希有な景観は世界的にも有名です。


山登りの途中、疲れた体を休めたり水分補給のために休憩します。このことを山の人たちの言葉で何というでしょうか。

① 横になる

② 杖を置く

③ 1本立てる

③ 1本立てる

山の言葉で、歩いている途中で休憩することを「1本立てる」とか「1本入れる」「1本とる」などと言います。ボッカが、背負子(しょいこ)に杖を立てて休むことからきています。ボッカとは、山で重い荷物を担いで徒歩で運搬すること、または運搬者のことです。むかし職業として存在していました。「歩荷」と書くこともあります。


ニホンカモシカは代表的な高山の動物で、特別天然記念物に指定されています。さてカモシカは何科でしょう?

① シ力科

② ウシ科

② ウシ科

ヤギと同じウシ科です。シ力と違ってツノは枝分かれも生えかわりもしません。日本固有のニホンカモシカは、本州、四国、九州の落葉広葉樹林や混交林に生息し、単独あるいは母親と子どもで暮らしています。好奇心が強く、木々の間から人を見つめていることがあります。マタギと呼ばれる猟師の人々はカモシカのことを「アオジシ」とか「アオ」と呼んでいます。

③ ウマ科


いかにも北海道らしい名前のついたキタキツネ。草原から高山帯まで広く生息しています。さて、次の中で間違っているのは?

① 世界中で北海道にだけ棲む固有種

① 世界中で北海道にだけ棲む固有種

日本列島は面積が小さい割には100種を超える哺乳類が生息し、そのうち44種が固有種です※。日本列島の固有種は、特異な地形や気候、また島の成立過程などによって生き残ってきました。ただしキタキツネは北半球に広く生息するアカギツネの亜種で、樺太などにも生息しています。

※自然環境研究センター編/日本の哺乳類(改訂2版)

② タヌキと同じネコ目イヌ属

③ ホンドギツネより大きい


日本の大部分は温暖湿潤気候。夏は高温多雨。冬は寒くて乾燥します。日本で最も雨量が多い山域は?

① 大台ヶ原

② 屋久島

② 屋久島

「屋久島は月のうち、三十五日は雨」といわれるほど雨が多く、1999年には全国最多記録の年間降水量6294.5mmを記録しました。山中ではさらに多く、1万mm近い雨量になります。2000m近い山々に大量の雨が降り注ぐため、亜熱帯から亜寒帯に及ぶ多様な植物相がみられ、豊かな流水や湧水に恵まれています。屋久島だけではなく、日本列島に降り注ぐ豊富な雨は、森を潤し、この国に住む人々の生活をはじめ生きとし生けるものの命を育んでいます。

③ 雨ケ森


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