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日本山岳会などが中心となって進めてきた「山の日」制定運動は平成28年から8月11日から国民の祝日として実施されることになった。会報「山」829(2014/6月号)にこの経緯が記載されているが、この「山の日」が真に意義ある祝日になるための責任も同時に背負うことになったのではないだろうか。科学委員会としても 何ができるか 何をしなければならないか 本格的な取組に動き出す時期に来ている。


「山の日」制定  8・11の理由

8月の祝日は初めてで、年間の祝日は16日に増える。祝日がないのは6月だけとなった。
改正祝日法は昨年4月に発足した超党派の「山の日」制定議員連盟(会長・衛藤征士郎前衆院副議長)がまとめ、今年3月に自民、民主両党など衆院に議席を持つ与野党の全9党が共同提出した。

 7月第3月曜日の「海の日」と同じく、国民が自然に親しめる祝日を設けるのが狙いで、同法には山の日の意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と明記した。
 祝日法は昭和23年に議員立法で制定された。同法改正は4月29日を「昭和の日」に、5月4日を「みどりの日」にそれぞれ定めた平成17年以来。

「八」が山の形・お盆前で決着

 山の恩恵に感謝し、豊かな自然を次世代に残す−。
そんな思いが込められた「山の日」。23日の参院本会議では、与野党の多くの議員による賛成多数で改正祝日法が成立したが、「根拠が薄い」などの慎重論もあった。「山の日」の意義をいかに浸透させるかが、今後の課題といえる。
  「山の日」制定議員連盟会長の衛藤征士郎前衆院副議長は23日、産経新聞の取材に「内向き志向だった子供たちが山の偉大さを体得できるし、ふるさとへの回帰にもつながる。ぜひ山に登ってほしい」と語り、改正祝日法の成立を喜んだ。
 全国各地には8月8日の「ぎふ山の日」(岐阜県)や、11月11日の「えひめ山の日」(愛媛県)など独自の「山の日」があり、「八」の文字が山の形に見えるため「8」、木が立ち並ぶイメージから「11」を使っているケースが目立つ。
 今回「8月11日」としたのもこうした意味合いがあるが、当初は祝日のない6月や「海の日」(7月の第3月曜日)の翌日とする案もあった。だが、最終的にお盆に長期休暇を取りやすい日取りに収まった。8月12日も候補に挙がったが、議連会合で小渕優子元少子化担当相(群馬5区)らが「日航機墜落事故が起きた日をお祝いするのは違和感を覚える」と懸念を示し、見送られた。
 慎重論がくすぶっていたのは、日本維新の会とみんなの党だ。両党は意見がまとまらず党議拘束を外した。23日の参院本会議採決では15人が反対。棄権したみんなの江口克彦最高顧問は「ただでさえ祝日が多いのに、海だ山だと言い出したらきりがない」と語りながらも、「『おもてなしの日』など日本人の精神を呼び起こす祝日があってもいい」と新たな提案をしてみせた。(村上智博)
 2014/5/24付産経新聞より

関連ページ:全国「山の日・選定協議会


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