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第35回播隆祭と高頭山記念登山の報告

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播隆祭参加者

 日本山岳会富山支部の第35回播隆祭は、6月7日高頭山(1210m)の麓、富山市河内の播隆上人の顕頌碑前で営まれた。支部会員ら約20名が槍ヶ岳を開山した高僧をしのんだ。

 播隆祭では鍛治支部長と「生家の会」代表の大作一男氏が挨拶、今年はコロナウイルス対策のため、旧村民を交えた懇親会は行われず、何もかも簡略化された。

 その後十数名により高頭山記念登山に向かったが、例年事前に行っている登山道整備も当日同時に行った。
 

 

 

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鍛治支部長の挨拶   生家の会代表:大作一男氏の挨拶
 
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高頭山記念登山の参加者

登山道の整備(休憩中)    
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山頂で昼食(ソーシャルディスタンス)   幻想的なブナ林
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『山のリスクマネジメント』山と渓谷社2020年

  この本では登山中のリスクを総花的に網羅して百科事典のようにその対応策を解説している。しかし本来、リスクマネジメントとは「リスクの洗い出し⇒リスク評価⇒リスク低減策の実施⇒残留リスクの情報化⇒教育訓練」という一連のサイクルを廻す管理手法を指す言葉である。

  その点、対象とする山域のリスクを洗い出す時の参考資料としては有効だ。過去にどんな事故が発生し、どのようなリスクが存在するのか?詳しく調べる事がリスクマネジメントの第一歩になるのだから…。

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羽根田 治著『十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕』山と渓谷社2020年

  古い遭難事故をほじくり返して、いたずらに好奇心を刺激し危機感を煽るのは、余りいい趣味とは言えない。現代の気象予報は明治時代よりもはるかに正確だし、GPSがあれば発生しなかった遭難も多い。今どき「谷川岳の宙吊り事故」などを掘り起こして一体どんな意味があるのだろうか? 遭難本の元祖は春日俊吉、山岳遭難を警告・啓蒙すると共に、危機感を煽り刺激する本ともいえる。今まで山登りを知らなかった人まで興味を示し、新たな遭難を誘発し助長する?社会的悪循環といえるのではなかろうか。

  しかし教訓として思い返してみるのはいいかも知れない。現代にも通じる部分もあるからだ。文章はゾクッとするくらいリアルで、良く検証されていて、登山そのものが恐くなるほどの迫力がある。いわゆるドキュメンタリー作品。

 ※危機感を煽って読者の好奇心を刺激する⇒興味本位の登山者が増加する⇒遭難が増える⇒益々報道がエスカレートし過激になる⇒更に登山者が増える⇒遭難が増える。この悪循環を、社会的悪循環というのだろうが…、これをどこかで断ち切る必要があるだろう。

野村 仁著『もう道に迷わない』

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野村 仁著『もう道に迷わない』山と渓谷社2015年

 基本的に道迷いとは道のある山でしか発生しない。冬山や岩登り・沢登りや藪山には、はなから道がないのだから迷いようがない。などと言ってしまえば議論にならない。一応、冬山や岩登りや沢登りにも一般的に良く知られたルートというものは存在する。また藪山やバリエーションルートであっても、自分が意図するルートはあるはずで、それを外れた時にも、やはり道迷いは発生する。
 この本ではGPSを主要な装備と見なしていないが、もはやそういう時代ではないと思われる。スマホ地図やハンディGPSを前提として、バッテリー切れなど使用上の注意点を詳述すべき時だろう。スマホ地図・GPSがあるにもかかわらず、道迷いに至る例が今後多発すると思われるからだ。
 車の無い時代には交通事故が滅多になかったのに、皆が車を持つようになって交通事故が多発したように…。さらに、GPSがあれば多少荒天でも、雪があっても、知らない山でも、より大胆に冒険しがちになると思われる。それを「リスクの目標水準が上がるから」と説明される。そして紙の地図を軽視し、持たなくなるケースが増えるかもしれない。
 この本には様々な道迷い遭難の事例が紹介されている。携帯などで簡単に連絡が付けばよいが、電波の届かない領域で道に迷った挙句、滑落・負傷して行動不能に陥れば、深刻な状態に至るので特に注意が必要だ。

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小川原辰雄著『人を襲うハチ 4482件の事例からの報告山と渓谷社2019年
 

 ハチに刺されて死亡する人は年間約20人前後を数えるが、これは他のクマなどの野生生物による死者をはるかに上回っている。危険なのはアレルギー反応としての全身症状いわゆるアナフィラキシーショックであり、刺傷後30秒から数分以内に発症し、急激な血圧低下、呼吸困難、意識障害などを引き起こすという。
 本書ではハチ刺し症の実態と臨床統計に触れ、ハチ刺されを未然に防ぐ方法や、運悪く刺された場合の応急措置について書かれている。黒っぽい服装を避けて、ハチを刺激しないことが大切だというが、低山で活動する機会の多い方は一読する価値がある。

 次のサイトもご参考に

 ハチ合わせしたとき攻撃されやすい NG行為とは?

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野村仁著『55歳からの やってはいけない山歩き』青春出版2018年
 

 ほとんど初歩的な事を中心に書かれているが、今回初めて「木道の滑りやすさ」について言及された。高齢者が木道で滑って転び、骨折に至る例が非常に多いからだ。薬師岳・太郎平周辺では毎年・年中行事のように繰り返されている。GPSやスマホのGPS機能についても取り上げられている。遅すぎるくらいだ。警察庁の統計によれば2017年(H29)の山岳遭難者数は3,111名でその内一番多いのが道迷い1,252名、全体の40.2%を占めて最大要因となっている。
 GPSをログ(軌跡)を記録するためだけに使用するのであれば、スペア電池や落下防止対策のみ注意しておれば良いが、道迷い防止に使うのであれば使用方法を熟知していなければならない。計画コース(ルート)の入力、万一の連絡のために緯度経度の表示、コンパスの校正、地図の設定(進行方向が上)など。
 電池を入れ替えるたびにコンパスがリセットされる機種があり、つど校正が必要。上を進行方向に設定しても、立ち止まった瞬間に上が北となるようでは扱いにくい。また縮尺を変えると表示(上が進行方向)が変わるようでも都合が悪い。機種によって違うがメインメニューから衛星情報を表示させなければ緯度経度が分からないものもある。
 一方でGPSやスマホへの過信も要注意。液晶画面が小さく、等高線の粗い丘陵地帯では明瞭な谷や尾根がなく、目印となるピークや池や川の分岐などの手掛かりもなく、かつ樹木が密生していて見通しがきかないような場合には、たとえGPS画面に現在地が表示されていても、現実の足元がどこなのか認識できない場合もある。縮小すれば周辺も表示されるが、等高線が一段と粗くなり地形がより
分かりづらくなる。狭い液晶画面で現在地を把握するには、参照するための紙の地図と磁石が必要で等高線の形状に注意する。
 そもそも地図の見方を知らなければGPSやスマホも使いようがない
わけで、地図の見方を知ることが前提であるが、仮に地図の見方を知らなくても、携帯が通じる環境にあれば緯度経度を連絡することで救助が早くなる可能性がある。さらに究極の利用方法としては電源を入れっぱなしにしておくことによりログ・軌跡(トラック)が残るが、それを逆にたどることによって元の場所に戻ることも可能。不運にも電池切れの場合でも、いきなり電源が切れるわけではないので、断続的に電源を入れることによって、点としての現在地を把握できる時もある。

第33回播隆祭と高頭山記念登山の報告

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播隆祭参加者

 日本山岳会富山支部の第33回播隆祭は、6月3日高頭山(1210m)の麓、富山市河内の播隆上人の顕頌碑前で営まれた。支部会員や旧河内集落の住民ら約40名が槍ヶ岳を開山した高僧をしのんだ。

 播隆祭では鍛治支部長が挨拶し、「生家の会」代表の大作一男氏が昨年に引き続き播隆上人の遺品である半鐘や親鸞聖人や蓮如上人や法然上人の名号などの説明を行った。

 その後十数名により高頭山記念登山に向かい、アサギマダラが多数飛び交い、タンナサワフタギが満開を迎える爽やかで楽しい登山でした。
 

 

 

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鍛治支部長の挨拶   生家の会代表:大作一男氏による説明
 
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懇親会   高頭山記念登山の参加者
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アサギマダラ   タンナサワフタギ

第33回播隆祭と高頭山記念登山の案内

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播隆祭参加者(平成28年)

 今年も郷土の偉人播隆上人の功績を称え、恒例の「播隆祭」を開催し、旧河内村ゆかりの方々と親交を深めたいと思います。ぜひ多くの皆様にご参加いただきますようご案内いたします。

 

【日 時】平成306月3日(日)9時から

【場 所】播隆上人生家跡地の顕頌碑前

【特別展示】播隆上人ゆかりの遺品(富山市大山歴史民俗資料館より)

【記念登山】高頭山1,210m

詳しくはこちらをご覧ください

 

 

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生家の会代表:大作一男氏による説明(平成29年)   懇親会(平成29年)

夫婦山募集登山の報告

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登山口を出発
 
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夫婦山の男峰で記念撮影

夫婦山募集登山の報告
 

 5月27日夫婦山募集登山一行32名、爽やかな風に吹かれて気持ちよく登りました。ヤマボウシやハクウンボク、サワフタギやヤブデマリなどの白花がとても綺麗でした。麓ではエンレイソウ、ミヤマナルコユリ、サギゴケ(ムラサキサギゴケ)の群生など名前の分からない花も多数。

 夫婦山は双耳峰で男峰は標高784.01mで二等三角点(点名:夫婦山)があり、ロープが掛かるかなりの急登の連続でした。また見上げるような巨岩が幾つもあり、断崖絶壁に囲まれた展望台もあります。山頂には方位盤が設置されており、360°の展望は抜群で、北アルプスをはじめ白木峰や牛岳などが間近に望めました。

 女峰は比較的なだらかで標高約740m木陰もありここで昼食をとりました。帰りは百人一首で有名な猿丸太夫の塚に立ち寄って帰宅しました。
 

猪熊隆之著『山の天気にだまされるな!』

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猪熊隆之著『山の天気にだまされるな!』山と渓谷社2016年
 

 「天気予報を鵜呑みにすると痛い目に遭う」と著者は指摘している。一般に天気予報とは麓の天気をいい、山頂の天気を指すものではないとする。また「ほとんどの低体温症による死亡事故は、低気圧が通過しているときや、通過前ではなく、低気圧の通過後に発生している。」として下表の例を挙げて注意喚起した。

 さらに低体温症・増水による遭難・落雷遭難・突風による遭難を防ぐシミュレーションを示している。

 近年増えつつある気象遭難は、局地豪雨などによって急激に沢や川が増水し、渡渉中に流される事故であるが、地球温暖化の進行に伴い、全国で局地的な豪雨や落雷、突風の出現率が増加傾向にあるという。それには事前にその沢の特性を考慮して、当日の気象リスクを事前に予測する必要があると説いている。

 ※著者「猪熊隆之氏」は山の天気予報を配信する(株)ヤマテンの代表取締役で気象予報士。
 

       近年の気象遭難の例
     
1989年 10月8日 立山・真砂岳で低体温症により8人死亡
1993年 5月3日 月山で低体温症により4人死亡
1994年 2月13日 吾妻連峰で低体温症により5人死亡
  2月21~23日 剱岳で低体温症により3人死亡
1995年 1月4日 千畳敷カールで雪崩により6人死亡
1999年 4月18日 浅間山で低体温症により4人死亡
2002年 9月11~12日 黒岳と十勝岳で低体温症により2人死亡
2006年 3月19~20日 八が岳・阿弥陀岳で低体温症により3人死亡
  10月7日 白馬岳で低体温症により4人死亡
2007年 12月31日 槍平で雪崩により4人死亡
2009年 4月26日 鳴沢岳で低体温症により3人死亡
  7月16日 トムラウシ山で低体温症により9人死亡
2012年 5月4日 三国境(白馬岳北方)で低体温症により6人死亡など北アルプスで合計10人死亡
2014年 8月16日 穂高岳・滝谷出合で沢の増水により3人死亡
2016年 4月30日 立山・富士ノ折立で低体温症により2人死亡
2017年 3月27日 那須・茶臼岳のスキー場近くの雪崩により高校生・教師ら8人が死亡
2017年 8月29日 幌尻岳・糠平川の増水で3人死亡
     


 

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