2005年3月号
創立100周年記念事業推進経過報告
 
100周年記念事業実行委員会
 

創立100周年記念事業推進経過報告
100周年記念事業実行委員会

 創立100周年記念事業の内容については、会報『山』の「100周年ニュース」で逐次報告してきた。いよいよ2005年になり、活動も活発化し、予算もそれぞれ確定したところで、1月の理事会において経過報告がなされた。記念事業を会員全員の参加で、というモットーの下に実施されているので、活動内容を充分に知っていただき、いっそうのご協力を得たいと思い、以下にその概要を記す。ご要望、ご質問があれば、どしどしお寄せいただきたい。
■記念史刊行委員会
百年史刊行
 百年史編纂の準備は創立80周年の頃から始まり、創立90周年の実行委員会の小委員会として発足し、今日に至っている。
 本編の中心となる「通史」については、すでに執筆が開始されている。これを補充する「各論」については、分担して執筆し、簡易年表も付ける。資料編の材料はかなりの量が準備されており、内容構成を予算の見通しを含めて3月までに決定したい。 
 編集方針として「わが国における近代登山発展の歴史を、政治、経済、社会、文化の動きのなかでとらえ直し、そのなかで日本山岳会が果たしてきた役割を描き出し、この際、当会の史料についてもできるだけ究明し、将来展望についても探る」としている。
 予算としては、会員全員への配布を前提として、編集、印刷費に1800万円、発送費に350万円を計上している。
 ただし、配布についてはいろいろな意見が出されており、2006年6月の出版までに十分各方面の意見をうかがい決定していく方針である。
英文ジャーナル刊行
 「日本の登山界は世界から孤立している」との海外からの声に応えて2001年10月に英文誌『Japanese Alpine News』(JAN)第1号を発行して本年までに第7号となるが、100周年記念事業の一環として、日本のアルピニズムの100年を回顧し、固有の山岳文化を語り、日本人の成果を総括して海外に発信することを目的とした記念号として英文ジャーナルを発刊する。
 構成としては、第1部を「日本のアルピニズムと登山文化」、第2部を「2005年の価値ある記録」とする。第1部が100周年を記念するもので、すでに8章に及ぶ項目と執筆者が決定し、執筆依頼もなされている。また、世界の山における日本人の初登頂、新ルート初登攀リストもつけられる。
 予算として400万円が計上されている。
新日本山嶽誌
 かなり長期にわたって計画、準備されてきた『新日本山嶽誌』が、いよいよナカニシヤ出版から発行される運びとなった。総論として、日本の山の特徴を各方面から挙げ、山地ごとの解説、各種資料が掲載される。本文として、山系ごとに詳しくその山について語られており、この執筆については、日本山岳会の全国の支部の多くの方々が担当して健筆をふるわれた。
 日本の山についてのすべてを語る大部なものとして、全国各地の図書館に購入を促進すると同時に、一般書店でも販売する。日本山岳会の会員には、特別価格で販売されるので、奮って購入されたい。
■登山委員会
海外登山
 従来の日本山岳会の周年記念事業としては、ヒマラヤの高峰に大規模な登山隊を派遣してきたが、近年の登山のやり方が大きく変わってきており、できるだけ多くの登山隊を応援して記念事業に華を添える方向で実施している。すでに東海支部のローツェ南壁冬期登攀、関西支部の西チベット未踏峰2つの登攀ならびに河口慧海の足跡調査、学生部のムスタンでの未踏峰登頂の3つが実施された。2005年に入って次の4隊の派遣を応援することが決定している。
 1、事業委員会主催のマナスル峰(8164m)の登頂、2、福井支部主催のチベット、ニンチェンタングラ山脈・ジャナリズ峰(6214m)の登頂、3、富山支部主催のネパール、アンナプルナ・ヒマールの北東部のギャジカン峰(7038m)の登頂、4、東海支部第8次インドヒマラヤ登山隊の無名峰(6160m、6206m)の登頂である。登山隊補助費として1千万円を予算として計上し、補助を行った。
中央分水嶺踏査
 国内登山の記念事業として、日本を貫く中央分水嶺の完全踏査を企画し、全国25支部ならびに首都圏を中心にした多くの同好会の全面的参加を得て、すでに実行段階に入っている。参加する会員の延べ人数としては、日本山岳会はじまって以来の大人数となるだろう。割り当てられた全区間をすでに踏査し終えたのは静岡支部だが、多くの区間で着々と踏査実績があがっており、昨年末の踏査率は約50%と見られる。今後、残雪期の踏査などで達成度を上げていくと思われるが、どうしても踏査しえないところを、誰がどのようにして踏査していくかが問題になってくるだろう。各方面の協力を得て、できるだけ完全踏破を目指して努力していきたい。
 2006年の総会をめどに踏査報告が出される予定である。GPSの購入、シンポジウムの開催への全国支部からの参加、報告書の作成費などで450万円の予算が計上されている。
海外トレッキング
 「海外における日本人の足跡をたずねて」をテーマに、世界の4地域にそれぞれ3コース、計12コースのトレッキングを実施する。
 すでに昨年11月の会報『山』に別刷りで8ページにわたる企画案内書を添付して、会員の皆さんの参加を募集している。日本山岳会の会員が企画した極めてユニークな内容のトレッキングであり、実施は、山岳トレッキングの経験の深い当会会員経営の専門業者によって行われるので、大勢の会員の参画を期待している。現在は会員のみに限定しているが、今後の動向を見て、会員の友人などへも案内していくことも考えていきたい。
 問合わせおよび申込みは、それぞれのコースの担当会社にどしどしお寄せいただきたい。
■式典委員会
総合式典
 日本山岳会の創立は1905(明治38)年10月14日である。100周年の記念すべき日の式典を、2005年10月15日(土)に、東京の新高輪プリンスホテル・国際館パミールで開催することが決定している。全国の会員のできるだけたくさんの方に参加していただきたいので、今から予定に入れておいていただきたい。なお、2005年度の年次晩餐会は行わない。
 式典は、日本山岳会の100年の来し方を偲び、来るべき第二世紀への新しい歩みを踏み出す記念すべき日としたい。内容については、現在鋭意検討中であるが、参加した人々の記憶に長くとどめ得るものにしなければならない。国内外のどのような方々を招待すべきか、会費をどのくらいにすべきか、記念品をどのようなものにすべきかなどを今後検討していく。
 原則として徴収した会費で式典を実施したいが、種々の補助として370万円の費用を予算として計上している。
記念映像資料
 東京における総合式典実施時に、会場で写真展を開催する。『写真で見る100年史』と題して、日本山岳会の100年間の歩みを目で見られるかたちで展示する。
 また、使用した写真を小冊子に収録し、会員に配布することも企画している。すでに会報『山』1月号で広く皆さんに写真提供をお願いしているが、特に戦前に足跡をしるした山行の記念写真など、今まであまり人の目に触れなかった写真を提供してくださることを担当者は望んでいる。予算として310万円を計上している。
ブロック別式典
 全国を8つに分けてそれぞれ創立100周年を祝う式典を開催するが、日時、場所が確定したので次に記す。
・北海道ブロック(北海道支部)8月26日(金)・札幌市「アパホテル札幌」
・東北ブロック(青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島各支部)5月28日(土)・「ホテルリステル猪苗代」
・中部日本ブロック(越後、信濃、山梨、静岡各支部)9月17日(土)・新潟県関川村「御宿 玄太郎」
・東海ブロック(東海支部)10月29日(土)・名古屋市「ホテルローズコート」
・京岐北陸ブロック(京都、岐阜、福井、石川、富山各支部)6月11日(土)福井市「ユアーズホテル」
・関西ブロック(関西支部)11月5日(土)・和歌山県高野山「高野山大学講堂」
・中国ブロック(広島、山陰各支部)9月17日(土)・広島市「ホテル八丁堀シャンテ」
・九州ブロック(福岡、北九州、東九州、熊本、宮崎各支部)7月16日(土)・宮崎県「えびの高原荘」
 式典開催の翌日に、近くの山に登るという計画のブロックが多い。式典開催の支援と、本部から派遣する役員の交通費で計300万円を計上している。
記念フォーラム委員会
 創立100周年を迎えるにあたって、さまざまなテーマで今後の日本山岳会のあり方を考えていこうという趣旨で、フォーラムの開催を考えている。今後、ヒマラヤ登山についてや、日本山岳会の登山についてなどのテーマでのシンポジウムの開催を計画中であり、詳細がつめていかれる。予算は300万円を計上。
高尾の森づくり活動
 自然保護委員会が中心となって実施してきた「高尾の森づくり」での例年の植樹祭を中心に、自然保護全国集会などを開催する。
 4月9日(土)・高尾の森わくわくビレッジで、午前中に自然保護全国集会を実施し、午後、ミュージカル「天狗の隠れ里」を上演。「森林と人間の共生ー人は植物とどうつき合うかー」をテーマにシンポジウムを開催。
 4月10日(日)・第5回「高尾の森植樹祭」と裏高尾小下沢国有林で2千本の植樹。
 これらの活動に対して120万円の予算を計上している。
白神山地育林事業
 青森支部が実施している「白神山地育林事業」活動では、6月25日(土)に植樹祭を開催する。
猿投の森づくり
 東海支部が本年4月より新たに活動を開始する。
所蔵山岳図書・絵画展
 当会が所蔵する貴重な図書および絵画を一般に公開する。本年10月8日より17日まで東京駅丸の内口の「丸善」の新社屋の4階で展示を行う。
 図書は、洋書約60点、和書70点が展示される。同時にこれらの貴重な書籍の図録を作成して販売する。
 当会が所蔵する貴重な絵画についても、すでに選定を終え、図書展を実施する会場の壁面に展示する準備が進んでいる。
 予算として230万円を計上している。
医療ハンドブックの発行
 近年の中高年登山者の急増にともなう山での病気や事故を防ぐ目的で「山の救急医療ハンドブック」を作成し、山と溪谷社のハンドブックシリーズの1冊として本年6月に発行する。この一部を買い取り、会員に頒布する予定。
 現在、医療委員会から資料の提供を受けて、わかりやすい内容で執筆中である。
 本書は、総合記念式典において展示を行う予定もある。
 ハンドブック買い取り費用、展示費用、シンポジウム開催費用として110万円を計上。