2004年2月号
「中央分水嶺踏査登山」の支部の活動現況
 
中央分水嶺踏査実行委員会支部担当  藤本慶光
 



 創立100周年記念事業のひとつである「中央分水嶺踏査登山」は、全国の支部と首都圏に属する多くの会員が全面的に参画する画期的なものである。会報『山』の1月号にその概略を紹介したが、すでに各支部においてそれぞれ活動を開始しているので、その現況をお知らせしたい。

●秋田支部 昨年9月28日に佐々木支部長以下15名の会員で秋田、岩手の県境の甲山分岐から峰越し林道まで踏査して、その山行報告書が昨年度の年次晩餐会で展示された。国土地理院の作成した地形図に書かれている「鹿子の山」という山名表示が実は「鹿の子山」であること、新たに作られた林道や、すでに使われてない廃道など地図上の表記を修正しなければならないことなど、多くの収穫を得た。
 GPSによる位置測定とあわせて高度の測定もしたが、地図での高度表示と異なることもあり、GPSの精度を知る上でも有益であることがわかった。

●北海道支部 この地域は広大で、4つのグループに分けて実施すべく計画を立案中であるが、積雪期、残雪期のほうが踏査が容易であるとの視点から、本年早々に2回のトライアルを実施した。1月2日から4日にかけて新妻支部長をリーダーとして3名が宗谷岬を出て宗谷川源頭134地点まで往復踏査、1月11、12日に新妻、西野の2名がトマムR136と中央分水嶺の交点から957峰までの6kmをスノーシューで踏査した。

●東海支部 和田副支部長を委員長とした委員会が結成され、数次の偵察,一部区間の踏査を実施した。今回の全体の計画では、必ずしも全ルートの完全踏査にはこだわらず、行けるところは行くとの趣旨で取り組んでいるが、東海支部は担当区間の76kmの完全踏査を目指している。野麦峠から権兵衛平までを15の区間に分け、実施時期、リーダー、サブリーダーを決定して今春の残雪期を中心に各チームが踏査に邁進する。この企画を記念するペナントやTシャツも作成する予定である。

●富山支部 木戸支部長を責任者とした体制ができており、本年2月から4月までに5回の偵察調査、本踏査の日時と場所が決定した。

●信濃支部 中野支部長を委員長とした8名の実行委員会が既に発足し、具体的な実施計画を作成中である。

●京都支部 横田支部長が責任者となり5名の担当委員が決定した。

 その他の支部でも相次いで担当責任者が決定、実施のための組織づくり、ルートの検討、実施時期の設定などが精力的に行われている。

●首都圏 全長6000kmに及ぶ中央分水嶺を全国の支部に踏査を実施していただくべく割り当てたが、支部に属さない首都圏在住者も参加できるように、首都圏の担当区間を次の15区間とした。すなわち、甲子峠から鳩待峠までをA区間からF区間の6つの区間の首都圏1とし、三国峠(高田)から三国峠(甲府)までをAからIの9区間にわけて首都圏2とした. この計15区間を支部での活動と同じように責任をもって実施していく母体として、日本山岳会の同好会に呼びかけることにした。

 同好会には、同好の士が集まって特定の目的をもって活動する同好会と、従来あった同期会が発展的に同好会になったグループもある。1月26日にそれらの同好会の代表者に集まってもらい、計画を説明した。それぞれの同好会でどの区間を担当するかを検討して、希望区間を提出してもらい、委員会で調整のうえ決定することとした。

 今後は支部における活動と同様に、責任者の決定,ルート、スケジュールなどの検討実施計画の策定を積極的に行っていただきたいと考えている。

 今回の計画は、日本山岳会会員のできるだけ多くの方の参画を実現したいという強い願いにより策定されたものである。一般会員の方々も積極的にいずれかの計画に参加されて、日本山岳会創立100周年をそれぞれの想いで迎えていただきたい。