2003年6月号
平成15年度通常総会 
新会長に平山善吉氏を選任
 
 平成15年度通常総会が5月17日午後2時から、東京都千代田区の東京グリーンホテル水道橋で開かれた。総会には、会員181人が出席し、@平成14年度事業報告および収支決算・財産目録の承認A平成15年度事業計画および収支予算の承認B平成15・16年度役員及び評議員改選C平成15年度除籍予定者―の件について審議した結果、いずれも原案どおり可決承認した。会長の選任については、質疑・意見が相次いだ。(事業報告等の詳細内容は別掲)


■会長あいさつ

嬉しかった英文誌の発行

 議案審議に先立ち、任期を終える大塚博美会長は次のように挨拶した。
「三つのことを掲げてきた。25支部を全部訪問すること、100周年記念事業の土台づくりを行うこと、そして登山活動の活性化である。すべて実現することができたと思う。また、長期改善計画を、アンケートをもとにして策定した。さらに、英文レポートが作成された。『極東の登山活動がよく分かった』と欧米から反応があり、嬉しかった。皆さんのご指導・ご支援に改めて感謝したい」


■事業報告・収支決算

会員数が戦後はじめて減少

 この日の総会には2281の委任状が提出された。現在在籍者は5935人であり、出席者を合わせると、会員の3分の1を上回って総会は成立した。議事録の署名人には贄田統亜、永田弘太郎の両会員が選任された。

 事業報告・計画は西村政晃総務担当常務理事、収支決算・予算および財産目録は村井龍一副会長財務担当が説明した。

〔事業報告〕国際山岳年への参加を底流に事業活動を行ってきた。6月2日の第56回ウェストン祭、9月21〜22日に広島で行った全国支部懇談会、12月7日の年次晩餐会など、それぞれに盛況だった。海外登山では、日印合同の東カラコルム踏査・パドマナブ登山、日中友好チョー・オユー女子合同登山など、大きな成果をあげた。また、長期改善計画を策定した。スパイラル・アップして日本山岳会を活性化させていきたい。

〔収支決算等〕収支決算は、収入が8777万円となり、予算を335万円上回った。会費・入会金は7174万円で収入全体の81・7%を占めた。しかし、新入会員192人に対し退会者・物故者・除籍者が236人にのぼり、この1年間で44人の純減となってしまった。会員数が減ったのは戦後初めてのことである。

 支出は9400万円で、予算を541万円上回った。「山岳」製作の経費増や「新日本山岳誌」の編纂、パソコン費用などで支出が増えた。次期繰越収支差額は1213万円、期末正味財産合計額は4億1826万円となった。

 これらに対し古市進監事から収支計算書等が正確かつ妥当であり、さらに理事の業務執行が誠実に行われたことを認める監査報告があった。

 さらに、村井副会長は、3月に文部科学省の実地検査があったことを報告した。業務運営、事業内容、会計処理、予算決算の4項目について検査があり、すべての項目で最高級「A」の評価を得た。AAAAは極めて稀である。


■15年度事業計画・収支予算

全国支部懇談会は青森で

〔事業計画〕100周年に向けての活動と長期改善計画の実施がポイントとなる。8月15〜20日には事業委員会が「親子で登る北アルプス」を実施する。9月10〜18日にはヨセミテ紅葉の山旅トレッキングを企画、13〜14日には全国支部懇談会を青森支部の主管で開催する予定。年次晩餐会は12月6日に行う。海外登山では、100周年記念として東海支部が厳冬期のローツェ南壁に挑む。関西支部はツゥイ・カンリ登山の偵察隊を派遣する。

〔収支予算〕これらに対する予算は、収入を8559万円とした。前年度予算に比べ117万円の増加。新入会員は200人、退会者は240人と見込んだ。会員数は、2年連続の減少となる。支出は前年度予算とほぼ同じ8858万円。通常管理費は極力抑えたが、会員名簿の作成、英文ジャーナル、100年史の編集などで経費増となる。山岳研究所の運営費を修理費増などで増額した。収支は298万円のマイナス。

 これらの報告のあと、自然保護委「山のトイレマナー」の内容、かつてあった支部の山小屋、国際山岳年に対する日本山岳会の姿勢などについて質疑があった。


■理事・監事、評議員の改選

質疑・意見相次ぐ

 議題は3号議案「役員・評議員の改選」に移った。大塚議長が、候補者を提示、質疑を求めたところ、発言を求める声があがり、質疑・意見が相次いだ。

 中尾正武会員(2525)日本山岳会をどう運営していくのか、候補者の考えがはっきりしない。評議員として候補者選びに参加したが、会の進め方や定款の解釈に終始し、会長候補のビジョンを聞くことができなかった。会長候補の削除を求めたい。

 石田稔郎会員(6065)関連して。候補者選任のいきさつを開示してほしい。

 村井副会長 2月から4月にかけて評議員会を相次ぎ開き、会長、副会長を経験者されたかたなどから意見を聞いたが、なかなか決まらなかった。最後は平山、平林の両氏にしぼられた。しかし、なおまとめることができない。投票だけは避けたいと考えていたが、4月19日の臨時評議員会で投票となり、無記名採決の結果、平山氏13、平林氏11の結果となった。

 江本嘉伸会員(8637)新しい会長は、ビジョンを示し、それを会報に載せるべきだ。なにもなくて、いきなり協議しろといわれても無理だ。もっと優れた決め方があるのではないか。

 阿部和行会員(4498)先をみて実行していく人を選ぶべきではないか。100周年事業のプクジェクトづくりを進めてこられた平林さんが新しい会長に適任だと思う。

 宮原巍会員(5125)平山さんは、昭和基地の建設など、南極で仕事をされてきた。日本山岳会では、評議員としても活発に活動され、多くの人の信任を得ておられる。1995年には日大隊の総隊長として、エヴェレスト東北稜からの初登頂に成功した。建築学会の副会長をつとめ、多々実績を残されており、社会的にも認められている。適任であると思う。

 新妻徹会員(5868)2年前の総会を思い出す。以降、平山さんは「山」になんら掲載していない。評議員会の推薦だから、ひっくり返す考えはないが、私は平林さんが会長になると思っていた。

 山田二郎名誉会員(3473) 100周年事業のことを心配されているが、平林さんが副会長として担当し、平山会長が推進していく。考えてみれば、名人事ではないか。2人以外の人を候補者にしたかったので、本意でないのだが、執行部案に賛成したい。

 大森薫雄会員(5136)評議員会で、平林さんを推薦した。理念、指導力、そして国際性のある人だと思う。100年プロジェクトに携わってこられた経験を活かして欲しい。

 吉川尚郎会員(5099)評議員会での投票で決まったと報告された。両氏とも、よく知らないが、1票でも多いのに従うのが民主主義のルールではないか。

 河野吏会員(6842)100周年に向かって、日本山岳会の顔となる人を選ぶ重要な議題だ。私は、平林さんを推薦したい。

 議論は白熱した。5分間の休憩をはさんで、結局は、多数の拍手でもって原案通り可決したが、一時は、2年前の混乱した総会を思わせる状況となった。会議は長引き、審議が終了したとき、時刻は4時を過ぎていた。


■15年度除籍予定者

推薦者は責任をもって対処

 4号議案は除籍対象者の件。平成15年度は81人となった。会費を2年間滞納した人が対象となる。除籍者は平成12年度が45人、13年度が50人、14年度が45人だった。とくに推薦者は、会費を納めて留まるよう説得してほしいという要請があった。


■報告事項

青森・岩手など支部長交代

 支部長の交代が紹介された。新支部長は次ぎのとおり。
 青森      根深  誠
 岩手      菊池 修身
 山形      菊地 俊彦
 岐阜      早田 道治
 広島      種村 重明
■新会長挨拶

会員の減少防止が課題

 議事終了のあと、新役員・評議員が紹介され、平山新会長は「機会をとらえて、私の考えを述べていきたい。将来の展望について、役員との議論を深め、また皆さんの意見を聞きながら、結論を出し、それを実行していきたい。大きな課題は、会員が減少していることだ。おおいに反省しなければならないと思う」などと語った。

 総会終了後、懇親会を開いた。山田二郎名誉会員が音頭をとって乾杯し和やかな歓談を続けた。
(高橋重之)


■平成15・16年度理事・監事

会長      平山 善吉 新
副会長     芳賀 孝郎 再
同       平林 克敏 新
同       橋本  清 新
理事(カッコ内は担当)
(山研運営)   小川  武 再
(会報編集)   今村 千秋 再
(指導)     黒川  恵 再
(事業) 朴元 鍾徳 再
(資料・映像) 鈴木 敬吾 再
(学生) 鳥居 和雄 再
(総務) 藤本 慶光 再
(図書)     田村 俊介 新
(科学) 石田 要久 新
(総務) 贄田 統亜 新
(自然保護) 篠崎  仁 新
(青年) 大蔵 喜福 新
(医療) 野ロいづみ 新
監事     内田  博 再
       一力 英夫 新

評議員
再任=中尾正武、赤羽孝一郎、本田誠也、宮崎紘一、森武昭、中井 俊一、山本晃弘、鯵坂青青
新任=村上勝太郎、小倉董子、竹田寛次、中村保、松永敏郎、和口豊司、西村政晃、重廣恒夫、高原三平、磯野剛太、田中文男、深川安明