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ちょっと週末に「黒部横断」〜発想力と山登り 

山スキー黒部横断


●2001年4月の週末
●ルート:扇沢〜針の木谷〜大スバリ谷〜(黒部湖の湖面を渡る)〜一ノ越〜雷鳥平〜立山川〜伊折
●メンバー:三浦(ぶなの会)、澤田(チーム84)
●出典:山と渓谷2001年7月

 まず最初に断り書き。
 私は、岳人は買うけど、山ケイは買わないので手元に記録がなく、記事の引用はできないし、一部誤った記憶をしてるところがあるかもしれない。とはいえ、この記録はすごい!と、思ったのでぜひ紹介。

 買わない山ケイだけど、記録マニア?の私としては、投稿欄だけは、必ず立ち読みしてる。で、今月号には山スキーの記録特集がのっていた。本人はとてもスキーまで手が回ってないが、残雪期に山スキーの機動力を生かした記録というのには、関心があったので、今回もふむふむと見ていた。すると、この記録。
 この記録の持つ意味を理解するのに、一瞬間があいたあと、これはとてつもなくセンセーショナルな記録だということを悟り、鳥肌がたつような感覚を覚えた。
 私も、岳人500号の和田さんの黒部横断特集はむさぼるように読んでおり、上の廊下を含めばこれまで4回黒部横断をした。しかし、4月の週末に「どこに行こうかな」と考える時、この記録のように2日で黒部横断してこようと、思い浮かべることが、出来ただろうか?「黒部横断」というだけで、GWに1週間はかけて行くものという固定観念に縛られ、身構えてしまうのが、凡人の常である。 おそらく、最短日数での黒部横断記録であろう。それを「山スキーの機動力」と言ってしまえば、それまでだけが、この記録の凄さはそれだけじゃない。
 滑走記録未見の大スバリ谷から氷結した黒部湖に滑り込むというライン取りが素晴らしいのだ。山スキーとはいえ2日で黒部横断をするには、このラインしか解がなかったのではなかろうか。。
 しかも4月頭という時期も、これ以上遅くなると、天候はどんどん安定するが、黒部湖の結氷状態がまずくなるだろうから、そのバランスの中での絶妙な解なのではないか。計算されつくした記録である!
 それに、むずかしいこと抜きにしてもだ…
 GWの雷鳥平の喧騒を思い描いてみよう、開放的な景色は素晴らしい、けど、人はうじゃうじゃ。それがアルペンルートの開通前のこの時期なら、間違えなく誰もいないだろう。春の陽光の雷鳥平を独り占め……、うーむ素晴らしい。きっと、こういうのを幸せというんだろう。
 もちろん技術的に困難な課題の克服という記録は、登山のあり方を変えるインパクトを持つ。しかし、独創的な発想も、ときに登山のあり方を変えるようなインパクトを持ちえる。
 私達の遊び場の自然の懐は、私達が思ってるよりぜんぜん深い。ちょっと頭をひねれば、もっとおもしろい発想が出来るはずなのだ。だから、山登りはおもしろい。
 山登りを、もっと楽しむために、技術を、そして発想を、常に磨いてゆきたいものだ。