2.htmlTEXTBlWd Uキナ併フ > お勧め記録集

最高・最難、憧憬の大渓谷 飯豊川本流遡行 


●1999年8月15日〜19日
●ルート:飯豊川本流/孫左エ門沢下降〜本流〜文平沢
●メンバー:浅野賢一(名古屋ACC)、森田・鈴木(遡行同人「鍋と酒」) 
●出典:ALPINE 年報'00  名古屋ACC,2000年11/15発行

 ズタズタのスノーブリッジ。乗ったり、潜ったりして歩みを進めるが、そこは巻こうにも、
下から思い描いたようには、ルートはとれず、草付き混じりの岩壁をどんどん追い上げられる。沢床から100m以上は上がっただろうか。それでも、ようやくトラバースできる傾斜になった。〜(略)〜潅木帯は上方に延びるが、我々は草付きスラブをトラバースすべくザイルを多用する。誤魔化して進んでいくが、命取りの一歩が何歩かあった。ノーザイルでは足が出ない。〜(略)〜ずっと眺めている対岸のスラブは緑が見出せない完璧な岩。支尾根もスラブ、絶景の中の絶景。
という具合な渓相で、彼らは500〜600mの距離を巻くのに9時間を要している。読んでるだけで、背筋がゾクゾクし、胸が締めつけられる。こういう記録は、そうはお目にかかれない。ムズカシイと言われる沢の記録を読んでも、たいていは、「もうちょい登攀力がつけば行けるかな」と、行くために何が必要か見えてくる。
 ただ、飯豊川は別なのだ。関東周辺の沢には「5級」と紹介されているが、どう考えても、そいつはウソだ。6級上??、日本最難の渓谷といって過言はない。行ってみなければ、スノーブリッジがどうなってるかは、まったく見当がつかない。登攀力、RF力、経験に裏打ちされた高度な総合力で、記録を読むだけで感じる、あの圧倒的なプレッシャーに立ち向かうしかないのだろう。
 でも、どうなってるかわからないからこそ、ワクワクドキドキがある。その凄い景色の中に、身を置いてみたい。
 だから、いつかは行きたい。