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●対象:奥穂高岳南稜
●期間:5/20〜21
●メンバー:榎並、安藤 (慶應大学山岳部+OB会)
そろそろ沢初めという季節だが、例年にない多雪に、もう1本雪稜に行きたくなった。
岳沢周辺の雪稜は、後立のそれほどポピューラーではないようだが、アプローチ至便(特に上高地までバスが入るGW以降)で、標高も高く5月に登るには狙い目だと思ってたので、奥穂南稜を計画した。山田氏が木曜夜に不参加となって、結果的には2年生の安藤と2人で行くこととになる。
20日 (雨)
松本でタクシーの客引きにのり3000円で上高地に入り、少し時間を得して6:50発。しとしと雨で上部はガスの中、奥明神沢〜前穂(〜奥穂)に計画を変更しようか、迷いながら歩く。
岳沢に着く(9:40-9:55)頃には、雨も上がり上部も切れ切れにのぞくようになり、突っ込むことにする。
ただ、この時点では、翌日も悪天との予報だったので、もっと慎重に判断しても良かったような気も…。
休んでると、大音響と共に、正面の滝沢大滝を、雪崩が滝のように落ちて壮観。まあ南稜の取付まで直撃することはなさそうだ。
少し滝沢に入ったところから取り付く(10:20)。
ルンゼをほんの20m程登ると南稜の末端の尾根にのるが、しばらくで尾根は雪壁の斜面となり判然としなくなる。 左側を登ってまた尾根状になるが、ここは右側に上がった方がよかったようだ。
なにせ上部はガスの中なので、よくわからん。
ちょっとした雪庇の出来たリッジで念のため1ピッチロープを出す。
その後の広い雪斜面を右よりに斜上して、トリコニーの岩場の取付き(13:30)で、やっと右側に尾根に戻った。
因みに「トリコニー」ってのは、登山靴の底の鉄のビョウの意らしい、でもそう言われても実物を見たことないしピンとこない。
ここでまたロープを着ける。
1ピッチ目、直登も出来るが、このあたりから完全にガスの中なので、10m程、簡単な岩稜を登ったあと、先の見えている右のルンゼにトラバースする。
2ピッチ目、右側のハイマツと岩の混じった斜面を絡みながら登り尾根に戻る。
3ピッチ目、尾根の左側のバンドをトラバースのあと、岩を直上。
4ピッチ目、細い岩稜。
難しくはないが、先が見えないでちょっとした緊張感はあった。ランニングはこの時期だと、ハイマツが出てるの豊富に取れる。
先の雪壁も念のため、1ピッチロープを延ばし、さらに雪庇対策でコンテを組む。露岩の下に平坦地を見つけ(16:50)、設営。
この視界では今後もコンテ等、ロープを出して時間がかかりそうだし、そもそもあと、どのくらいで抜けれるのかも上が見えないことには分からない。幸い明日は昼前から晴れてくる予報だが、ちょっと突っ込みすぎたかな?心配しながら眠った。
21日 (曇時々雨)
4:15発。ガスの中だが、昨日よりは若干良い視界で、5m程度はあろう。幕場から、岩稜の左側の雪壁に回りこみ、ひとしきり登り小ピークに立つ。さらに白一色の大斜面を右の雪庇に寄らないよう気をつけながら登ると、ひょこり指導標が表れ、南稜の頭に抜けたことを知った(5:30)。
思ったより、早く抜けることが出来て、一安心。ただ、この視界では当初の計画の、〜前穂〜明神沢下山は吊り尾根のルーファイが不可能と思われ、遠回りになるが歩き慣れた白出のコル経由を下山路に選んだ。
奥穂山頂での休憩(5:40-5:50)もそこそこに下山開始。
主稜線上は西風に雪が舞い、眼鏡の雪を払いながらのルーファイとなり、この時期としたことがけっこうマジである。迷い尾根の分岐から右の雪面に回りこむところで1ピッチスタカット。コルへの梯子の下り口が分かりにくいが、この冬の明神主稜の時の記憶を頼りになんとか発見。
白出のコル7:15-7:25。こんな天気でも小屋がやっていて、中に人がいるのには驚いた。でも、ザイテングラードはトレースなし。平衡感覚のない大斜面を、えいや!と下ってゆく。
やがて雲の下となると、うまい具合に尾根の上に乗っていた。
涸沢8:25、さらにこの季節でも途切れることのない雪渓に驚きながら、本谷橋(9:10-9:30)へ。一端、晴れ間すら覗いたが、横尾(10:25-10:50)の先では、激しい雨。はっきりしない天気だ。
学生の頃なら、ノンストップか休んでも1回だった、横尾→上高地間だが、今回は徳沢・明神に各駅停車。往路にこの道で夜行疲れの体を徐々に慣らしてゆくのは嫌いでないが、復路はいつも下界の雑念をあれこれ思い浮かべながらで、やたら遠く感じられる。
やっと上高地、13:30。下山。
陽光の残雪の山という目論見は外れ、ガスの中の山行となったが、シーズンの打ち止めに満足な山が出来た。
なお同じ日、南稜を登ってたJ智大OBの川高氏の、パートナーはトリコニ-の上で滑落、取付きまで300m落ちたという。幸い、捻挫で済んだというが、恐ろしや。
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