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●対象:会津朝日岳/楢戸沢
●期間:10/7〜9
●メンバー:榎並、山田(慶應大学山岳部OB会)
6日 只見駅前に車を止め、仮眠
7日 (快晴)
楢戸沢への入渓は、手元の資料では、楢戸の集落からの林道を車で入っているが、それだと帰りの車の回収が厄介になる。行きは荒れた林道の奥まで車で入ったが、帰りはタクシーを手前で下ろされ、歩くなんてのは最悪である。そこで、下山路である白沢林道の途中から、支尾根を乗越、楢戸沢中流部へ入るルートを取ることとした。
会津朝日北面は、東から白沢、楢戸沢、小戸沢東の沢、小戸沢西の沢と南北に沢が平行に流れており、間の尾根はそう高くない。今回、取ったルートも標高差400m程の登り下りで楢戸沢に入ることが出来るもので、これはなかなか妙策といえよう。
白沢林道の水無沢出合に車を止め、7:40発。出合すぐの二俣を左、その先を右に取り、963mPと950mPの間のコルを目指す。水はちょろちょろしかないが、5m程度の、のっぺりして直登の厳しいナメ滝が幾つかあり、歩き出しで調子が出ていないこともあって、巻くのに時間を食った。
コルに10:05、ここから楢戸沢側へ下降する。コルから標高差150m程の急な斜面は、藪伝いにゆけて問題ない。が、左からの沢を合わせた先は、地図では緩やかに見えるものの、実際は両岸に草付が発達して一苦労であった。
10m滝を手始めに、5m程の滝で小まめにロープを出し、都合計3回の懸垂。
標高570m地点の楢戸沢に出る(12:00-12:15)。下降した枝沢の苦労とは一転し、このあたりの楢戸沢は非常に穏やかな流れである。とうとうと流れているのをイメージしていたが、取水域の少なさゆえか、水は少なく、ちゃぽちゃぽと歩いて行ける。
650mの二俣の先で、沢は唐突にゴルジュ状になり、中に3m程の滝が二つ現れる。水が圧縮されており、直登不能。しばらく戻り、右の台地状を巻き10mの懸垂で沢床に戻る。
再び沢は開けるが、これまでと異なり小滝が幾つか表れ、少しずつ沢の傾斜が強まってくる。標高790mの二俣手前の7m×2段の滝で、上段を右壁から越すのに空身になるが、まああとは特に困難なところはない。
突っ込みすぎると幕場がなさそうなので、幕場を探しながら進み、次の830m二俣の左のちょっとした台地に泊まることとした(15:25)。
8日 ( 晴時々曇)
幕場発6:05。傾斜の急な、巨岩の目立つゴーロを登ってゆくと、8m程の滝3つの連瀑となる。2段目までは右のカンテを登れそうだが、その先が見えないので、戻って左のルンゼから巻く。5mの懸垂で、右から枝沢が滝になって落ちる地点へ下りた。
このあたりから両岸は、草付の発達が目立ち、いよいよ核心部の感がある。樋状の流れが左に曲がると、20m程の直バク。ツルツルで一見して登れず、ここも戻って左のルンゼから巻く。だいぶ上まで追い上げられ、草付スラブの上から40mの懸垂で沢床へ。途中の枝にロープが引っ掛かり動かないので、後続の山田さんに途中でピッチを切ってもらい、だいぶ時間を食った。
この先が1050mの二俣(9:35-9:45)目指す左俣は側壁の中に深く切れこみ、陰鬱な印象。ほどなく、15mのC.S滝。C.S右のカンテに立ちこみ、上の泥壁に這い上がる数歩に思いきりが必要で、ロープを付け空身で登った。途中に残置のハーケンが2本、上にはリングボルトまであった。
これを越えると上部が見渡せ、少しは明るい感じがしてくる。ただ大きな滝こそないが、C.S状の滝が連続し、楽ではない。特に同じような形状の7mC.S滝二つは、空身になり、突っ張りから強引に落口の数歩をずり上がる悪い登りであった。
水量比3:1の出合に12:20-12:35。地図では、あまり左に寄ると目当ての奥壁スラブに出ず登山道に抜けてしまうように見えたので、水量の少ない右俣に進路を取る。が、すぐ水はなくなり、藪沢になり、いつまでたってもスラブが表れる気配はない。右に入ってしまったのが失敗で、スラブは左の尾根の向こうに広がっているのではないかとの懸念が頭をもたげる。このまま藪を漕いで稜線に抜けてしまうのあまりにシャクなので、ロープを付け岩のバンドを回りこみ左の支尾根に立ったみた。しかし、尾根の向こうの沢は深く切りこんでおり、とても下りる気はしない。今詰めてきた枝沢との位置関係は分からないものの、スラブは上の方に見える。しょうがなく30mの懸垂で再び、もとの枝沢に戻った。このあとしばらくで枝沢は、先ほど乗ってみた支尾根に吸収される。
と、その向こうはちょうど奥壁スラブの始まりの部分ではないか…。左から回りこんだ本流が、この支尾根に寄ってきていたのだ。例えて、一の倉の滝沢と2ルンゼ、御神楽の本谷と新高ルンゼの関係。スラブ側へ潅木を伝いトラバースし、途中から10mの懸垂でスラブの基部のテラスに下りる(15:00-15:15)。ここでザックに忍ばせていたクライミングシューズに履きかえる。
スラブは幅50m〜100mと広く開放的で、標高差200m程続く。渓流シューズではおっかないだろうが、クライミングシューズなら快適そのものにスタコラ登れる。振りかえると、見下ろすスラブに紅葉がはえ、実に爽快。
最後は傾斜が増してきたので、1ピッチロープを出し、稜線直下で右に抜ける。スタコラ登っているうちはいいが、いざ急になりロープを出してみると怖く感じた。
会津朝日山頂に16:45-17:15。下田、毛猛、越後駒、平ヶ岳など山並みが、雲間から覗く夕日に輝く。回り全部に重々と山が連なるこの景色は南会津ならではで素晴らしい。
夏道をしばらく下り、完全に暗くなる18:00に避難小屋に着。小屋の中は込んでいたので、前の広場にツエルトを張った。
9日 (雨)
6:10発。途中から強い雨となるが、まあ前半2日天気に恵まれてので文句はいうまい。道は、このあたりの山域にしては非常に歩きやすく、楽に下りれる。
8:40に車着。
国道に出てすぐの温泉施設「湯ら里」はまだ早くやってないので、南郷村の「きらり289」で風呂・メシ。下道で那須に出て、のんびりと帰京した。
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