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●対象:御神楽岳/前ヶ岳南壁V字第2スラブ・霧来川もうがけ沢
●期間:6/3〜4
●メンバー:榎並、山田、安藤 (慶應大学山岳部+OB会)
昨年の岳人10月号の南会津特集の大津さん(わらじの仲間)の御神楽岳紹介記事の中に、
「6月の第1週の山開きには手拭いがもらえる。来年は2000年記念のをもらいに行きたい」
との一文があった。
これを山田氏はいたく気に入り、GWに八ツ峰であった同じわらじの仲間の須田さんを介し、メールで大津さんに問い合わせるほどの熱の入りよう。ペーパードライバーの私としては、山田氏が長い運転にやる気になってくれないと、遠い遠い御神楽にはそうは行けなので、これはいい機会!。
手拭いがもらえるのは北面側らしいが、南面の林道終点にベースキャンプを置き、御神楽のスラブ入門・前ヶ岳南壁のV字第2スラブと、幻の大滝沢の異名を取るもうがけ沢を2本登る、お得な計画を立てた。
日本橋に22:30集合。磐越道経由で、霧来川の林道終点着は3:00。運転お疲れ様です…。
3日 (晴) <前ヶ岳南壁V字第2スラブ>
日も長いので、ゆっくり起きて8:20発。八乙女の滝手前のスラブ滝や鞍掛沢手前の草原に歓声を上げながらの楽しいアプローチだ。八丁洗の板と呼ばれる平ナメでは、思わず運動靴から渓流シューズに履き替え、登山道を外れ、ナメの上を歩く始末。
登山道が地図の記載と異なり、早めに高度を上げてしまうので、登山道からけっこう下ってカラ沢の出合に着く(9:40-9:50)。
しばらくはどこにもあるような平凡な沢だが、やがて前方が開け前ヶ岳南壁が姿を表す。しばしの雪渓歩きの後、カラ沢本流との分岐あたりで大休止(10:15-10:35)。
概念図を広げ、各スラブを同定する。今回登る、V字第2スラブはこの中では簡単なものなようだが、ラインとしては本谷という感じで自然なのがよい。左には、いつかは登りたい、最難の「赤いスラブ」が見える。
なんと開放的、つい2週前に奥穂南稜のホワイトアウトの中を歩いてたのが嘘のような明るさだ。
雪渓登りで、けっこう標高を稼いだ後、切れ目でフラットソールに履き返る。傾斜は緩く、岩は順層で堅く、快適そのもの。ノーザイルで思い思いのルート取りで高度を稼ぐ。
途中、1ピッチだけロープを出すが、あとは、あんまりスタコラ登れるので、もったいない…とさえ思ってしまうような感じ。でも、難しさを求めるのではなく、このスタコラ登る感じが、実はスラブの醍醐味なのかも知れない。
スラブ終点に12:50-13:10。ほんの数mで稜線に出て、避難小屋までヤブを漕ぎ。で、小屋に荷を置き(14:00)、山頂を往復。
出発前の週、風邪気味だっため、あまり調子がよくなく息が切れる。でも、覗きこむ北面の御神楽沢の奥壁は、圧巻。今度はこっちだな。
小屋発15:50、車に17:10。
4日 (曇時々晴) <霧来川もうがけ沢>
5:05発。昨日辿った道を少し歩き5:25入渓。
幾つか表れる滝は水量が多いこともあって、いずれも高巻くが容易。。雪渓も残るが、盛夏の越後の沢での処理と異なり、両岸の草付の発達がないので楽に巻ける。
ただ、関東近郊の沢と違い、人の気配がしないのが何より良い。只見川左岸は、この季節に沢初めするのに良い山域といえるかもしれない。
20m滝を、林道から続く遊歩道(誰が来るのか知らないが、やたらはっきりした踏跡)を辿り越えると、左斜面上に水の流れが一瞬見え、いよいよ幻の大滝、心がはやる。すぐ先の出合から、ナメ滝を越えると、視界がぱっと開け、全容が姿を表す。登場の仕方が、あまりに唐突で、驚きだ。(滝下7:50-8:00)。
上部の2筋の流れが、下部はすだれ状に大きく広がる。高さは50m程であろうか。融雪期で水量が多いだけに壮観。滝の中段は草付状で、ふつうは水が涸れていることを物語っている。この部分は、なんか畑の上を水が流れているようで変な感じもする。
水流の右を潅木を伝って登り、幻の滝の上の滑滝も、まとめて巻き上がる。この上は延々、滑が続くが、残雪に流れが閉ざされてしまう部分が多い。そのたび、隠れたナメを思ってため息(=ただの奇声?)を上げるが、仕方なし。上部は完全な雪渓歩きとなった。
ツメは主稜線まで上がらず、南の枝尾根を越え、林道に下りた(10:20)。この辺りの平原は、まだ一面の雪野原で、ブナの木の間を渓流シューズで歩くと不思議な感じがする。こんないいとこに林道を作るのはひどい思う一方、この林道のおかげで日帰りで山深いこの沢を登れるのも確かで、ちょっと複雑。
しばらく下ると林道の雪はなくなり、雪野原の静寂とは対照的に山菜取りの車で大賑わいとなっていた。
暑さがこたえる頃、ベースに辿りついた(12:55)。
下山後がまた実に良かった。只見川をのぞむ、ひなびた一軒宿の湯倉温泉と地元産のそば(店の名、失念)。
風呂・メシだけでももう一度、行きたくなってしまう。
振りかえれば前後は雨に泣かされている。それだけに、この山が余計際立つ。遠いとおい場所での鮮やかな思い出…。
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