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●対象:戸栗川本谷三ッ沢〜相又川
●期間:11/6~7
●メンバー:榎並(慶應大学山岳部)、仙田(慶應バックパッキングクラブ)
10月末に金山沢に行ってから風邪を引き、しみじみ「沢はもう終わりだな」と思ったものの、直ると「どうせこの時期は中途半端だし、そんならやっぱ沢かな」ということになった。暖っかそうなとこがいいので、ちょっとひねって南ア前衛・安部奥のこの沢にした。
電車に乗り津田沼を過ぎた辺りで、仙田から「渓流足袋をなくした」と電話される。すぐ残業中の山田さんに、「山田さん、靴いくつでしたっけ?」と連絡、家まで行き借りることが出来、なんとかなったが、危うく週末がパーになるとんでもないハプニングであった。
この日は沼津駅で仮眠。
6日 (快晴)
一眠りして目覚めると身延線の車窓には、富士川が目に入る。大きく蛇行しながら狭い谷一杯に流れる川と、杉の植林の景色は、いつも行く上信越のそれとは明らかに違う、雪の降らない温帯?地域独特の雰囲気がある。過ぎ行くシーズンを惜しみながら歩くには、絶好の雰囲気で、この景色だけで来て良かったと思える。
内船駅から町営バスに乗り十枚山登山口で下車(7:30)、醍醐沢出合の林道終点まで歩き、ここで入渓準備(8:30-8:55)。ここで標高はまだ420m、稜線までの標高差は1200mあり、ただの忘れられた里山とは言えない、この意外な山深さがまたこの山域の魅力である。
地図に書かれた、しばらく谷と並行する刈安峠への道は廃道だと聞くので、すぐ谷に入る。出合からいきなりゴルジュ状になるが、すぐ谷は開け鞍掛沢(10:05)まで河原状。
ここからまたゴルジュとなり、入口の7mの斜バクを右の泥ルンゼから巻き、10mの懸垂で下りる。この後は、側壁の泥壁こそ高いが、問題なく谷通しに進める。登山体系の「ゴルジュの悪さには定評がある」とはいささか、過剰であろう。
谷はやがて開け、辺りは一面の紅葉、思ったより水も冷たくなく、快適だ。
15m赤岩の滝は右から楽に巻き、しばらく行くと突然に20mの滝。右の凹角から取付き、水流すぐ右の一筋のブッシュラインをザイルを付け登る。下からだと悪く見え左右をきょろきょろした末、取りついたのだが、ブッシュがしっかりしており、さして悪くなかった。
この上の三俣(13:15)で右俣に入り、後は緩やかに高度を上げる。ただ、ツメでガレ場から右に逃げたところ、猛烈な笹薮で、寝不足でバテて45分の苦闘を強いられた。15:50、大笹ノ頭(1672mP)のすぐ南の登山道に出て、少し北に進み、1611mP手前の明日の下降点に泊まる。
7日 (曇時々晴)
6:05発、稜線から1分も笹を漕ぐと、七面大ガレ・大谷崩などこの山域の特徴であるガレ場となる。傾斜はあるが、特に問題なく7:20に1200m二俣。ここからが核心だ。
20m滝はすぐ左のブッシュを、お助け紐とザック投げ降ろしで切り抜けが、小滝を越えると1100mの出合に落ちる45mの大滝が表れる。左の岩交じりのブッシュ帯をまず10m懸垂しピッチを切り、その後、末端が届くか確かめながらの25m一杯の懸垂でハング下の緩傾斜まで下りた。下から見返すと、落ち口から水が幾条にもスダレ状に分けれ、実に見事な滝である。左岸側の水線を直登も出来そう、また上からだと分からなかったが巻きは右岸側が良さそうだ。
この先は、大きな滝こそないが、傾斜のある滝が、まさに息つく間もなく850m付近まで連続する。水線通しの下降出来る部分はほとんどなく、右に左に巻くことになるが、枝沢に遮れ、何度も沢に戻れねばず、内3回は懸垂となる。奥秩父などと違い、踏跡などの痕跡がないのまた良く、思わぬ掘り出し物で、存分に楽しむことが出来た。惜しむらくは、盛夏に下から水線突破を狙えばもっと楽しかったであろうことだ。
650m二俣に12:55、後は広い河原を歩き、やがて林道に出る。14:50国道、タクシーで身延に出た。
毎年、シーズンの終わりはこの辺りにしようかな、そう思う楽しい沢旅であった。
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