●対象:八海山生金沢左稜〜八ツ峰(中退)
●期間:3/20〜21
●メンバー:榎並、山田 (慶應大学山岳部OB会)


19日、利根川横断から中4日でまた六日町に来て車中泊。


20日 (雪) 
 パークホテルを6:50発。すぐに屏風沢を左岸から右岸に渡らねばならないのに、どこも埋まってないので、靴を脱いで脛ぐらいのところでじゃぶじゃぶ徒渉(7:35〜50) 。いきなり、大変なスタートとなる。
 右岸の台地に上がると、自然に左に導かれ、600mぐらいの所で尾根に上がる。ここから770mぐらいまでは、この標高のくせに雪が付けば、気持ちの良いナイフリ ッジになろうが、この時期だと申し訳程度に残った雪堤を歩くのみ。挙げ句途中から 先行トレースが合わさってしまう。
 このトレース、核心を抜けた所でテントを張っているパーティーがいたので、彼らのものだろう。しかしそれにしては、不思議なほど微かに残る程度のものだったので、それほど気にならなかった。
 1000mで右からの尾根を合わせ(10:10)、ここから1280mピークま での急雪壁が第一の核心だが、やはり雪が少なく急な所では薮漕ぎとなる部分が多い 。露岩を右から回る所と、ピーク直下の雪壁の2ピッチロープを出すが、あっさり越え12:30には1280m着。
 ここから1364mピークまでの雪稜が第二のポイント。 馬乗りでリードする場面が2個所あり、4ピッチ計100mロープを出す。しかしすぐ 後ろを都庁山岳会の2人パーティが続き、ここでも薮漕ぎの部分があったり、視界は効かなしでイマイチ盛り上がりに欠いた。やはりこのあたりの山は1・2月に来てこそ、という気がする。
 1364mに15:00、さらにガスの中、コンパスを振りながら、千本桧小屋16:30着、小屋の中でテントを張る。

21日 (曇)
高曇りだが予報通り天候回復。5:50発でトレースのない八ツ峰に挑む。
八ツ 峰は20〜30mぐらいの小ピークがぽこぽこ連なっており、基本的には急雪壁の登下降だが、一部岩稜状になっている。
 一つ一つのピークが正確に同定出来なかったが 、ピークの順番を整理すると、千本桧小屋〜地蔵岳〜不動岳〜七曜岳〜白河岳〜釈迦岳〜摩利支岳〜剣ヶ峰〜大日岳の順。
 七曜岳の不安定な雪壁登りからザイルを付け、ほんの少し下り再び雪壁を登り白河岳、ここまで2ピッチ65m。
 岩の出た白河岳の下りは鎖を支点にを懸垂10m、ナイフリッジ上の狭いコルから1ピッチ登り釈迦岳。ここで一端ザイルを解き、鐘のある摩利支岳と広いコルに出る(8:10〜20)。
 ここからまたザイルをつけ、ルンゼ状の雪壁から2ピッチ40m登り、潅木を支 点に10m下り剣ヶ峰とのコル。ここまでは難しいというより、雪が不安定なためにザイルを出したという感じだが、ここから剣ヶ峰への登りは悪かった。
 細い岩稜に乗った雪を払いながら、じりじり登り、 さらにその上は50センチ程雪の乗ったやたら細いリッジをバランスを取りながらのリード。こけなくても、この不安定な雪が落ちた時にはやばいだけに、緊張した。
さらにブッシュを頼りに1ピッチ20m下り、大日岳とのコル着。
 八海山最高峰のピークはほんの10m上にあるが、南西面は垂壁で無理、北東側の急雪壁を登るしかない。
「どうしても登るっていうならビレイはするよ」と山田さ んに言われるが、雪壁は高倉沢まで一気に切れており、雪の下に岩が隠れてい る恐れがある。さらにビレイ点は頼りない潅木しかなく、悔しいが「引き返しましょう」となる(10:30)。
 この頃から風が出て、風の集まるコルではかなり強くなり、辛い敗退行となる。ロープは1本しか持っていないので、さっきの剣ヶ峰をどう下るかが問題だったが、ぎりぎり下った潅木から、出だし10mの空中懸垂を含む20m一杯の懸垂で南西面 のルンゼへに降りる。
 ここから釈迦岳へのコルはすぐだったが、まだ新開道へ下りる希望を捨て切 らず、大きく巻けないかと南西面のルンゼを下る(夏道は巻道もあり、冬にも剣ヶ峰 を巻いた記録あり)。が、少し下ると、足元から15センチ程雪が切れて、いかにも まずい。先を急ぎすぎ、気持ちの余裕がなかったようだ。摩利支岳を巻き鐘のある釈 迦岳とのコル(12:30〜40)へ逃げ戻る。
 後は白河岳の懸垂した所を鎖のゴボウで越し、往路を丹念にザイルを出し千本桧小屋へ。風が強いので小屋の中で、14:15〜50までだらだらした後、八海山スキー場へ下山する。まだ視界が効くが、ガスると薬師岳〜女人堂へのルーファイはかなり厳しそうだ。
 ゴンドラの山頂駅16:25着も、風でゴンドラは運休しており、ここからがしんどかった。標高差800mのゲレンデを下り、さらに車道をとぼとぼ歩き車の置い てあるパークホテル17:55着。
 片づけをしていると、このホテルに務める、遭難救助隊をしてたという人が、風呂を割り引き(600円が400円)で入らないかと勧めてくれる。車をタダで置かしてもらった上のご厚意に、またここに来ねばならない理由が増えてしまった。
 次は来年2月かな、新開道から大日岳往復とか、屏風尾根とか、この山は遊び場に困らない。