●対象:金城山北尾根
●期間:1/30〜1/31
●メンバー:榎並、山田、上浜 (慶應大学山岳部OB会)


 慶應山岳部内で、マイナー山域路線を突っ走る山田・榎並ラインで、とあるコー チ会の後、「行きましょう」と盛り上がったのが話の始まり。「俺はマイナー路線じ ゃない」と言い張り、一線を引こうとしている上浜さんも、しっかり巻き込み、計画 が出来上がった。
 ちなみに金城山とは、巻機山から北西に伸びる支稜線が六日町に落 ちる手前に作る1369mの山。
標高こそ低いがこの北尾根は、わらじの仲間の大津 さんのいう「エキセントリックな越後の雪稜」(去年の岳人の3月号参照)の 入門ルートである。

30日(雪のち曇)
 29日夜、山田さんの車で出発。新潟県は大雪で、関越トンネルの手前から渋滞 し、結局、途中のPAで2時間仮眠を取っただけで、取り付きに向かう。どんよりと した越後の冬空の下に、切れ切れにかなり急に北尾根が見え、気分はずしりと重い。
 中川新田の集落の除雪の終点に車を停め出発(8:00)。膝上くらいのラッセ ルでも、すぐ取り付きに着く(8:40)。
 ここからはアイゼンとワカンを両方付け たひたすら雪壁状の尾根を登る。ピッケルとバイルに体重を分散し、ごまかしの技で雪壁をラッセルしてゆく感覚が心地よい。一部、右側のルンゼを回りこんだり、かなり急な部分もあるが、雪質も良く足並みの取れたメンバーなのでザイルは出さない。予報に反してしだいに天気は良くなり 、一時的に太陽も覗き、気持ちよい。
 750m付近で、急な雪壁を斜上するのに始めてザイルを出す。振りかえると、集落がすぐ下に見え、ビレイ中に12時の学校の鐘 が「キンコンカンコン」と聞こえてくる。この怪しさがまたこの山ならではだ。
 800m付近の小ギャップは、潅木を掘り起こし10mの懸垂でコルに降り、続 く岩峰を右から回る込むのにもう1ピッチ、ザイルを出す。テン場適地の950m付 近に14:30、この調子なら上まで抜けられそうなので先を急ぐ。 すぐ岩峰に行く手を阻まれるので、左の急なルンゼ状雪壁を登り、途中からちょとしたキノコ雪がついた尾根の右に回り込み、強引なブッシュクライミングで抜けた。ここはわらじや浪漫の過去の記録も右に回るか左に回るかルート取りがさまざまで、雪質やキノコの付きかたに応じてRoutefindingの力が問われるように思う。
 尾根が なだらかになった1230m付近に設営(16:45)。


31日 (雪一時曇)
 雪がしんしんと降り視界の効かない中の出発(7:00)。
何も見えない山頂を踏み(7:50〜8:10)、雲洞庵という寺を目指して下る。尾根が複雑でかなり読図が難しいので、ただ降りる場合には水無道(北尾根の東の尾根)か長崎道が良い と思う。ただ、たどりついた雲洞庵(12:45)は、回復した天気の下で、なかなかのたたずまいを見せていた。
タクシーで車まで戻り、六日町駅前の「六日町温泉」 に入ってから帰京した。

 2日間ながら、さまざまな要素のぎっしり詰まった、充実した山だった。たった1300mの裏山でこれだけ遊べるのだから、このジャンル実はすごく奥が深い。まだまだやる人の絶対数が少ないが、それは逆に自分だけのルートを見つける楽 しみがあるということなのだ。卒業前の最後のこの春はこういう山をとことんやると決めたのでありました。