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●対象:柄沢山〜荒沢山〜足拍子岳
●期間:2/6〜7
●メンバー:榎並、牧野 (慶応大学山岳部)
去年の4月に部を辞めた2年生の牧野の復部工作を進めてきたのが、ようやくなんとかなりそうだ。完全復活するかどうかはしばらく様子を見てから決めたいという牧野だが、こちらも部員数の確保に四苦八苦しているところなので、とりあえず山に行くことになっただけよしとする。ただ彼は私のマイナー山域志向に理解があり、足拍子といって、すぐ飛びついてくるので助かる。
ちなみに足拍子岳は、国境稜線の蓬峠から西に伸びる支尾根上の1408mの山、在来線と高速でトンネルを抜けた土樽のすぐ裏の山である。
5日の夜、シュプール号で出発。
6日 (雪)
どんよりとした空に小雪の舞う、越後中里で降り、スキー場の営業開始を待ってから、リフトに乗る。リフト券売り場のねえちゃんに、「何かあっても当スキー場では責任を取りませんが、よろしいですか?」と念を押され、場違いな場から早く立ち去るべく、そそくさとリフト終点からラッセル開始(8:20)。
週半ばの大雪のせいで、平地で太股ぐらいの重たい雪でなかなか行程ははかどらない。
柄沢山(10:40)で北から伸びる稜線に合流するが、ここからもだらだらとした尾根のラッセルが続く。
1148mPの手前で南向きの尾根が東に方向を変えると、それまで左手の東側に出ていた雪庇は右の南側に出るようになり、尾根はやや細くなる。
途中3m程の雪の段差を崩して乗り越すのにザイルを出したり、雲の中で視界が効かないのにてこずる。
結局、予定の荒沢山までは届かず、前手沢のコル(1148Pと荒沢山のコル)のすぐ手前のちょっとした場所を整地して泊まる(16:00)。
時折、ガスの切れ目に見える荒沢山は標高差200m程だが、意外に大きく見え明日のラッセルが思いやられる。しかし荒沢の切れ込みの下には、関越道のこうこうとしたライトが見えたりする。直線距離では1.5キロぐらいであろう。そんな所で、明日の行程をあれこれ心配しているのだから、やはりこの山は変である。
7日 (快晴のち雪)
前日と打って変わり快晴の空に気をよくして出発(6:30)。雪が少し締ったこともあり意外に早く荒沢山に着く(8:10〜20)。平標から仙ノ倉・万太郎・谷川・茂倉ととても2000mの山には見えぬ白一色の国境稜線から、反対側には大源太、その奥に巻機山と厳冬の越後の山並みを目に焼き付けるが、行く手の目指す足拍子岳はうねうねとした雪稜の向こうにずんぐりと高く、距離こそ近いながら、ここからが大変だ。
山頂からしばらくで、切れたナイフリッジを15m・さらに急な雪壁を15m程下るのに1ピッチザイルを出す。さらに続けて大きな木(こういう急な所でも随所の潅木で支点は楽に取れる)を支点に10mの懸垂でホソドノコルに降り立つ。ここは7〜8m露岩が出ており逆方向から荒沢山に上がるには、いかにも雪崩のやばそうな南側の雪面を大きく回り込むしかなさそうである。懸垂ザイルを回収すれば、後は進むのみだ。
細い尾根にちょっとした小ピークの登り下りが続き、地形が変化に飛んでいるので、集中してルートを取らないとすぐ雪庇に寄ってしまうので、非常に神経を使う。途中、切れたリッジを私が先行し偵察した際、南側に厚さ40cmの表層雪崩を誘発する。トレースは雪崩面より北側だが、雪崩であたりが不安定になっているので、ザイルを牧野に投げて、確保して通過させる。これもあって、その先の切れたリッジではザイルを使用。
その後は、足拍子の「ずんぐり」の部分の急登をひーこらラッセルして、山頂に着いた(13:00〜10)。
予報通り、天気が崩れ始めており、もう国境稜線はガスの中、急かされるように南尾根へ下降を開始する。南尾根の出だしは、荒沢山側へ20m戻った所から、上部の雪壁に入る。ザイルの確保の上だが、雪庇に突っ込むような感じのルート取りで恐いところだ。山頂から南へ行こうとすると雪庇に落ちるのでここは要注意である。
登り返した南峰からも、1230mの小ピークまでは急傾斜で、ザイルこそ出さないが、バックステップを多用し慎重に行く。
1230mからは、赤布に導かれ、南西方向への支尾根を下ることする。ここからはすたこら進み、清水トンネルの出口の横に出て、土樽駅に下山した(16:40)。
車でないと、下山後、さっと風呂に行けないのが辛い所。風呂はあきらめたが、飯はうまいのが食いたくて沼田で途中下車し、とんかつ屋「山彦」に行った。この店、ワンゲルの溜まり場になっており、書き込み用ノートがあり、ご飯を「ワンゲル盛り」とかいって大盛りにしてくれる。肉も、同じノートにつられるのでも富山の某店より格段にうまい。ワンゲルだけでなく、広くお薦めであります。
金城山に続いての、越後の怪しい雪稜であったが、2日間でまたまた存分に楽しませてもらった。存分にラッセルして、ルート取りに神経を使う。八ヶ岳とかと違い、こういうドロドロした要素をお手軽?に出来る山域はそうあるまい。足拍子にしても、クロガネの頭ノ中尾根とか、面白いルートがごっそり。夏に足拍子川左岸のスラブを登るのも楽しそうだ。すっかりはまってしまいました。
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