| ●対象:黒部横断/五竜岳〜S字峡〜ガンドウ尾根〜剱岳 ●期間:4/29〜5/7 ●メンバー:上浜、榎並、千原 (慶応大学山岳部) 4/28 新宿 上浜の就職活動の事情で出発を3日遅らす。あの上浜さんをしてここまでするのだから、就職活動おそるべし。 4/29 (快晴のち曇) 五竜とおみスキー場リフト上9:10〜12:35大遠見山12:50〜16:20五竜山荘 快晴、五竜東面〜鹿島槍北壁を望み、気持ち良い入山日である。ただし日焼け止めクリームを忘れたことが発覚。先が思いやられる。トレースばっちりなので楽だが、だらだらしたこの尾根は、ラッセルすると大変そう。 4/30 (曇のち雨) TS4:55〜6:40五竜岳6:55〜9:40東谷山〜2001mP手前TS12:30 コンテ:五竜山荘ちょい先〜全区間 天気が崩れるとの予報であるが、しばらくは持ちそうなので出発。 五竜でトレースと別れ、いよいよ東谷尾根に入る。2680mPまではガレた岩稜帯。ほとんど雪がついていないので、忠実に尾根を辿る。雪が多い時期なら、南側をトラバースしたほうがいいだろう。 2680mPから先は、そう問題なく東谷山のコルに下りるが、東谷山の登り返しは思ったより急で、また細い。 2297mまではちょっとした二重山稜、ここから再び急な下り。このあたりから雪の量が少なくなり、その付き方が不安定になり、苦労する。 雨も降りだしたので、核心と言われる2001mPの手前で早めの幕営。 5/1 (快晴) TS5:00〜2001mP下降懸垂2P〜2001m-1824mコル8:40-50〜S字峡16:40 コンテ:懸垂終了点〜2001m-1824mコル 2001mPは樹林帯の中に、所々露岩がギャップを作っており、尾根の形を呈していない。下降するなら40mΧ2は必要と思われる。下降点から北の餓鬼谷が広けた斜面を作っており、岩と薮が嫌な尾根を避けて、大きく巻く。最低コルの北まで下り、そこから登り返した。 ここからはなだらかな平原状となるが、特に1771mPの下りは地形が複雑でガスったら非常に厳しそう。1647mPでこの平原は終わるが、ここで突然雪が消え、後は延々薮漕ぎとなる。午後の熱い日差しで頭はくらくら、ここが今回の山で一番苦しかった気さえする。 1108mPから踏み跡が現れ、1000mの送電線鉄塔からは整備された巡視路に、眼下の仙人ダムに近づき、仙人谷出合の正面で、水平歩道に下りる。少し南に歩き、トンネル内で張る。ただ、これだけ人臭いと良い気がしない。やはり黒部横断の王道は十字峡であろう。 5/2 晴 TS4:35〜1500m付近2P〜ガンドウ尾根1700mP16:55コンテ: S字峡吊橋先一部、1700mP手前一部 吊橋であっけなく黒部川を渡る。う〜ん、岳人3月号の「正月の十字峡、胸までの徒渉」みたいな格好良さが全くないのが残念だ。一部雪が不安定についた水平歩道をしばらく辿り、送電線巡視路で1000mの送電塔へ上がり、ここから薮に突入する。 最初は薮も深くなくかすかな踏み跡もあるが、いつまでも甘く行かない。1300mあたりから2〜5m程の露岩が狭い稜線をふさぐように現れる。少雪の今年は1500mあたりから徐々に雪が現れるという雪量なので、薮をかき分けながら岩を回り込めばいいが、あと雪線が200m下がっていたら、ずっと張りっぱなしも考えられるほどいやらしくなるだろう。 1600m付近で露岩は消え、ちょうどその先でコンテ着、1700mに張る。 5/3 (曇のち晴) TS5:05〜2P〜1833mJP6:50-7:00〜1P〜10:05南仙人山10:25〜15:25池の平山 コンテ:全区間 TSからすぐの嫌そうに見えた雪壁は左の薮から這い上がるが、その先は雪の付き方が悪く2P。 1833mで十字峡から上がる大滝尾根と合流。ここからは雪庇警戒に1P張ったものの、気持ちの良い稜線歩きとなる。別山北尾根、トサカ尾根を間近に望み、大滝尾根を合わせ、やがて目指す剱も姿を現す。なんと贅沢なシチュエーション。黒部川を越えてきた甲斐があるというものだ。 快調に進み、池の平山の急登も一気にクリアーした(池の平小屋からはトレースあり)。 5/4 (雨のち晴) 停滞 朝から雨、上がるのを待つが、思ったより長引く。13時に停滞を決め、パックを解くとようやく止み、夕方には晴れるのだから、なんとももどかしい。 5/5 (雨のち快晴) TS9:00〜小窓下降懸垂4P〜13:20小窓13:40〜小窓の王南壁懸垂1P、他1P〜三ノ窓17:40 コンテ:全区間 けさも朝は雨、しばらく天候待ちしてから遅出。ここからは北方稜線をいわゆるいいとこ取りするのだから、このコースはおいしい。 小窓へは、最後の急降下の上に出るまでが途中20mの懸垂1Pを交え、遠い印象を受ける。また最後の懸垂3Pも途中の切り方に失敗し、時間を食う。ここの出だしは思うより、小窓雪渓側に降りた方がいいだろう。 登り返し、小窓ノ頭、さらに余勢を買って三ノ窓へと進む。三ノ窓への、小窓の王南壁は懸垂40m。そこからトラバース、ルートはわかりやすい。しかし、ここのトラバースの1Pでセルフビレイにとった残置スリングが切れるというミスが起きる。 ひやりとした後に見た、夕陽に輝く池ノ谷雪渓は美しさを越えて、吸い込まれそうな何かを秘めていた。 5/6 (ガスのち晴) TS4:40〜6:55剱岳7:05〜引き返し、本峰8:05 コンテ:全区間 午後から崩れるという予報なので、それまでに早付きを下ろうとガスのなか出発。池ノ谷ガリーはガスの中、落石が飛んできて身体に悪い。その先も、トレースだけを頼りにいつの間にか本峰、さらに先を急ぐ。 しかし、”直下のガリー”の最中にヒョウが降りだし、本峰に逃げ帰った。しかし、またまた3日連続で午後は晴れる。雹で濡れてしまったので動かないが、見事に天気に振り回されてしまった。 そろそろ行動食も尽きるころ、5月の山は、冬山用の切り詰めた食料で、長い行動時間をこなすので、腹が減って仕方がない。 5/7 (ガスのち晴) TS6:10〜早月上部で懸垂5P、他で1P〜伝蔵小屋12:00〜16:10馬場島 コンテ:伝蔵小屋下まで いつものごとく朝はガスだが、薄くなったのを確認して出発。全員、早月は初めてなので、慎重にザイルを張る。ガスの中、どれがカニのハサミでどれがなんだかわからないままに下り、核心を抜けたところで晴れてくる。 最後はむんむん暑く、GWの喧騒の去った馬場島で素っ裸になり水浴びした。
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