●対象:至仏岳〜平ケ岳〜大水上山〜越後駒ヶ岳
●期間:7/25〜8/1
●メンバー:榎並、千原、川嶋、牧野 (慶応大学山岳部)

7/24 東京=沼田


7/25 (晴) 
鳩待峠10:05〜13:40至仏岳14:05〜1700mTS18:30
 行って戻る以外の道のない至仏山に、12日分の食料・ザイルなどの大荷物で登るのだから目立つ。
 喧騒の山頂を後にする。2045mPまでは岩がでて歩きやすいが、ここから背丈ほどのハイマツの海に格闘する。大分下ったところで、割にはっきりした踏み跡に乗ったが、そこまでは尾根がはっきりしていないので、この踏み跡を見つけるのは難しいだろう。
 2045mPを下りきった地図の変わり目あたりでようやく平坦地を見つけ、刈り払って設営。


7/26 (曇) 
TS4:55〜13:10岳ケ倉山13:25〜1818mPとススヶ峰コル16:45
 1600m前後のうねうね続く潅木の茂った稜線を遅々として進む。踏み跡なんぞは全くない。
 岳ケ倉山先で小さな、池塘があり水汲み(但し当てになるものではなさそう)。テン場は1818mPを降りたコルにぽっかり5m四方程度の草地があり、ラッキー。


7/27 (ガスのち晴) 
TS5:00〜8:35ススヶ峰〜1911mJP13:05〜1920mP-白沢山間コル16:30
 テン場から薮が薄く歩きやすい稜線をたどると、ススヶ峰手前でガスの中、幻想的に大湿原がお出迎え。やがて次第にガスが取れ、目指す平ヶ岳が姿を現す。昨夏、会津朝日岳から遠望したのと違い、近くから見るとどっしりとした質感を持っている。
 1911mPを越えるまで、根曲がり竹が非常に濃く苦戦。1920mPを下りると、大きな木が茂るようになり、コルで楽に設営。


7/28 (雨一時曇) 
TS4:50〜8:10白沢山〜13:20平ヶ岳〜玉子石下14:15
 1日中雨雲の中、時折強く降る。白沢山の先、1936mPからは湿原が断続的に続く。また踏み跡もはっきりしてくるが、稜線上を外れ東側についているので追い辛い。
 平ヶ岳はガスの中。その上だだ広いので、木道に出たものの、どこが山頂か偵察する始末。縦に地図1枚を3日の遅々としたペースだが、前半戦は終了だ。
 玉子石下の指定地まで下る。木道があるとはいえ、いままで手付かずの湿原を通ってきただけに荒廃が目につく。奥利根〜南会津へと連なる広大な山並みを”百名山”の点でしか捉えられないのではもったいなさすぎる。


7/29 (曇)
TS3:55〜剱ヶ倉山9:50〜滝ヶ倉山15:40〜滝ヶ倉山先TS16:20
 平ヶ岳以南に比べ、ここからは少しは歩かれているようだ。しばらくは踏み跡が拾える。しかしここの踏み跡も北側を絡むので、諦めて稜線を忠実に歩くか、難しいところだ。
 剱ヶ倉山の登りは岩が現れているので楽。ここからは潅木の薮が深いとの記述もあるが、そう気にならない。というより、薮が浅いところで時間を食っているので、深いと心積もりが出来ているところで時間を食う分には何でもないのだ。要は、植性がどうか、踏み跡がどのくらいあるのか、なんてのは行ってみなきゃ分からない。ただし、読図さえきちんとやって、尾根を外さなければ、水もテン場もどうにかなるものである。因みに水に関しては、沢までの往復に1〜2時間という単位で時間を割くよりは、数kg余計に背負ったところで、1〜2時間遅くなるわけがなかろうし、ある程度担いだほうが効率的な気がする。この日、平ヶ岳出発時には4人で計26リットル担いでいた。
 話を戻して、剱ヶ倉山先の湿原は稜線を西に外れており、ガスの中では探すのが難しそう。相変らずの天気で、水の消費が少ないことを考え、そのまま先へ進む。滝ヶ倉山先で狭い稜線の一角にむりやり張る。

 

 

7/30 (ガスのち雨)
TS4:45〜下藤原山9:45〜藤原山16:45
 滝ヶ倉山から下藤原山は、岩が出ている部分が多く、行程がはかどる。また久しぶりに太陽が覗き、気分がよい。左下には利根川本流、それを追うと丹後山に”三角雪田”が光り、また越後沢山が大きい(この分読んでも、分かってくれる人はすくないんだろうな)。
 下藤原山からは一転、潅木の薮が深い。特に、藤原山直下では苦労する。


7/31 (曇のち晴)
TS4:55〜14:35大水上山15:15〜16:10兎岳
 1610mP先のコルまでいくと、岩が出てきて格段に歩きやすくなる。大水上山直下数十mは、かなり急で腕力で登りきる。大水上山は、古ぼけた道標が立つだけの変哲もないピークだが、丸6日間の薮から開放されると思うと感慨深く大休止。見下ろす十字峡の三国ダムの眩しさが目に焼きつく。今度は利根川本流を遡行して、この景色を眺めに来たいものだ。
 一般道の有り難さを味わいつつ、少し歩いて兎岳の気持ちのよい草原に設営。


8/1 曇のち晴
TS3:10〜6:50中ノ岳7:05〜13:15越後駒ケ岳13:20〜20:10駒の湯
 今日中に下りるべく早立ち。しかhし、このあたりの道の設計には、ジグザクに登るという選択肢がないらしく、どんな急なところでも稜線を一直線に登る。そのためなかなか行程が捗らない。
 おまけに越後駒の下りでは猛烈な夕立、さらにその後の蒸し返しで、1年生が熱中症気味に。途中で切ろうか迷うが、この1年の気合いを買って、懐電行動で下山。しかし駒の湯の入浴時間は18時までと調べて分かっているのがリーダーのつらいところ。それでも、地元の人に風呂と飯のある大湯まで送ってもらう。なんでもこの人は、駒の湯を埋めて作られるダムの反対運動をしているらしい。下山→自然に囲まれた素朴な村の住民との触れ合い、という身勝手な連想で片付けられない地元の複雑な事情に考えさせられた。

 夏のはじめの1年の縦走を、薮山で行うことには、部内でも多くの異論が出された。一般道を延々歩くあの感覚と薮山は確かに異質なものかもしれない。しかしそれで1年生の力がつかなかったわけでは決してないとおもう。何より、人だらけの中、金を払って水を買い、テン場指定の制約を守り・・・、そんな北アルプス・南アルプスの縦走では味わえない面白さがここにはあった。薮山をワンゲルに任せるのではなく、登山の1ジャンルとして山岳部にも捉え直して欲しいのである。