11月山行 第三回読図山行「標高差700mの藪尾根を降下」

日程 2004年11月27日(土) 晴れ
行先 奥武蔵
参加者 植木信久、植木淑美、武藤朋幸、岡田陽子、新井昇、大西攻、菅原紀彦、鶴田泰子(山岳地理クラブ)、西村智磨子(山岳地理クラブ)、遠山元信   10名
記録 遠山元信

 読図山行(どくずさんこう)とは、ルートが存在しないところなどを地図を読みながら歩く山行を言う。今回は下りの分岐の難しさを経験することを目的に、距離が長く読図力を要求される安全なところという条件で設定した。場所は奥武蔵の西武秩父線西吾野駅から高畑集落経由で奥武蔵グリーンラインに上がり、位置を北西に移動し地形図上の標高点833mのピークから標高差約700mある尾根を都幾川村西平の宿まで降下するルートである。ここは山麓の交通機関が不便なためか、現在では登山関係にほとんど注目されておらず、途中にある新柵山(あらざくやま)も近年登る人がいないのか荒れ放題であり、尾根の末端に近づくほど分岐での読図力が要求されるという尾根である。地形図を見ると尾根上に道が記載されているが、尾根の真上を通過するところと横断する道はそれぞれ一箇所ずつだけで、他に何箇所か近づくところもあるが殆どは尾根上からは見えない。そのため山頂から一人で間違いなく末端まで下るには中級クラスの読図力が要求されると思われる。開催する11月末という時期と山中の為、日の入りが早く午後4時までに下山しないと藪の中でヘッドランプを必要とし危険が増すことも気になった。これら総合的に判断し「我こそはという方、参加して下さい」という計画案内にさせて頂いたので御理解いただきたい。





 平成16年11月27日西武秩父線西吾野駅午前8時30分集合。遅れた方を待たないで出発しますと事前に連絡したため、申し込み通りの10名全員が揃った。その中には山岳地理クラブから2名の応援も含まれている。新井さんの準備体操で始まり、予定ルートの解説と注意点を説明、午前8時50分全員揃って出発する。途中の山麓の分岐に惑わせられながらも景色の良い高畑集落を抜け、藪の中にあった標識に導かれ急登に閉口しながら奥武蔵グリーンラインに上がった。予想外の天気に歓喜。両神山、武甲山、蕎麦粒山、三ッドッケは相変わらず良く見える。グリーンラインの舗装道路を稜線漫歩とも言うべき状態で歩き、午前11時50分下りを開始する地形図上の標高点833mのピークで昼食とした。風を避け南斜面の樹林帯の中での食事は楽しく時間を忘れる程であったが、午後からの事を考えるとのんびりしていられなかった。午後0時半、いよいよ本日のメインイベントである標高差700mの降下開始である。但し午後1時までに標高点833mのピークを出発できない場合は時間切れとし、西武秩父線側の適当な藪尾根を下り西吾野駅に戻ること、その先で発生したトラブルに関しては都幾川村の椚平集落、もしくは尾根の東側へ下ることを事前に決めておいた。さて肝心な読図は、小ピークなどのポイントで必ず全員でルートを検討し、微妙な方向を定め、その方向に突進することを繰り返し、新柵山からは難しくなる読図にも慣れ、日の入りとの競争に見事に勝ち、午後3時55分全員無事山麓に辿り着く事ができた。日の入り5分前の際どさであった。密集した藪もなく標高差700mの降下に3時間半を要したが、長い尾根だけに必要な時間であろう。
 下山してみれば、地元の方は近年見かけない登山者の集団がどこから来たものか検討もつかず呆然と眺めている人、突然現れた我々に酒屋でもないのに自宅の冷蔵庫からビールを出してきて売ってくれたおばさん、若者(?)に話し掛けるのが楽しくてとはしゃいでいるおばあちゃん、そして来年の春にまた来ると約束してきてしまった永楽という中華料理屋、とにかく我々は長い尾根を読図で無事下山できた成功の余韻をいつまでも楽しんでいた。