中央分水嶺踏査登山活動報告

東九州支部

自衛隊演習場内を踏査!!

 「阿蘇くじゆう国立公園」とその周辺には、阿蘇外輪山や久住、飯田高原などのたおやかな草波が広がり、「九州中部大草原地帯」とも呼ばれている。多くの観光客、登山者を魅了しているが、その中にあってほとんど人に知られていない広大な草原がある。「豊後富士」の異称を持つ潟布岳の西に広がる日出生台(ひじゅうだい)草原である。

 渇布院、別府などの近くにありながら、なぜ知られていないのか。古くから陸軍、陸上自衛隊の演習場として使用されたため隔絶され、最近では沖縄米軍の射撃訓練場にも利用されているからだ。

 そのど真ん中を中央分水嶺が通っている。東九州支部が担当する96kmのうち約14kmとかなり長い。だが、演習場、つまり高原一帯は鉄の柵に囲まれ、常に歩哨が立つ厳しさ。砲弾が飛び交う演習時間だけでなく、通常も立入禁止。それでも歩かせてもらわねばならない。

 支部では昨年夏、管理機関の湯布院駐屯地と何度か交渉した。窓口は広報室長(二等陸尉)で、意外にも大きな興味を示し、計画書、地形図、参加者名簿を添えて「基地見学申込書」を出せと言う。問題は踏査時期だった。演習は西日本各地の自衛隊が順番待ちの状態で、土、日曜日の連続2日の日程を入れるのはかなり困難という。隊と当方との調整を重ねた結末、許されたのは春秋の一時期に設けられている演習場環境整備期間のうち、11月27、28日の2日間だった。しかも大分県当局と防衛庁の間に交わされた使用規制の「自然環境保全地域」への立ち入りもOK。

 初日は陸尉、2日日には広報隊員が案内してくれた。複雑に波打つ草原の分水嶺、2.5万地形図でも正確には読みとれない。晴天に加え、地形を熟知している隊員のガイドはおおいに助かった。

 旧陸軍時代の射撃指示台の跡、弾着を確認する半地下式の壕なども通り、実弾射撃の着弾地では無数の砲弾の破片の間を歩いた。初日に演習場境界線から草原部分の大半を踏査、2日日は演習場を見下ろす福万山項に向けて、森林帯を地図を頼りに登った。

 湯布院駐屯地は、連絡、調整から案内、さらに支部員の駐車場の確保ほか、2日間の踏査開始地点から終了地点間にジープまで用意してくれた。ご協力に深く感謝したい。

        (飯田 勝之)

photo:前方は旧陸軍建造物(高台の上)
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