中央分水嶺踏査登山活動報告

信濃支部

大物コースに脱帽

 一昨年7月、山梨県清里から始まった踏査行は95%ほど消化したが、残された権兵衛峠〜牛首峠は最大の難物である。地元民も営林署もここを知る人は誰もいない。2度の偵察も先の見通しは暗いが残雪期決行。経ヶ岳を登って牛首峠を目指すA班。牛首から経ヶ岳
に向かうB班。共に2泊3日でドッキングを試みる。

(A班)3月19日、重い荷物と雪に喘ぎ六合目からはワカンを看け、カラマツ林を抜けて経ヶ岳(2296m)に午後2時30分到着。北に向かって破線を辿り、ダケカンバの林の中に幕営。20日、「ニセ坊主」を通過し、やせた岩稜と薮こぎ。雪庇に注意しながらアップダウンの激しい雪稜を進んで12時30分、坊主山(1965m)着。360度の眺望を堪能し、中央アルプス最北端のハイマツを確認。相変わらずのラッセルと薮こぎの連続
で汗。1820mに2日日のテント。21日、雪と風の夜が明けて朝快晴。林の中を進んで1850mピークに達す。B班も苦戦連続でドッキングは交信で無理と判断、薮と腐った雪の尾根を横川谷に下る。

(B班)3月19日、サポート隊と別れてすぐルートを見失う。低木の密集した雪道は重荷が肩にきつい。登り通して尾根に出る。地図は役に立たず、経験と第六感が頼りか。股まで埋まる雪と藪に苦戦しながら小さなピークをいくつも越えて、1540mにテント。20日、高曇りの風のない尾根筋を進む。朝のうちは雪もクラスト気味で歩けるが、10時頃になると相変わらず股までもぐり消耗はなはだしい。夕方から雪、風も出た。
1670mにテントを張る。21日、A班との交信の結果、本日のドッキングは諦める。時間が足りない。横川谷に逃げることにする。来年(2006年)同じ頃また来て100%にするつもり。山はそこにあるし、残された難物も、また楽しみでもある。雪のとけ始めた南向きの尾根を泥だらけになって進み、林道でA班に合流。ヒマラヤ経験豊かな猛者達もさすがに「今回は参った」と。

 覚悟はしていたが大物コースだった。ほとんど樹林帯のため、風の通りがないので雪がしまらず歩きにくく、藪と熊笹ではワカンも使えない。また見通しが悪く現在地を確認できない苦労も。久しぶりに充実(?)した汗苦行であった。  

      (中野和郎)

          

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